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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第23章 四九日の法要
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突然の死③

「あまりに、突然のことで、頭が全くついていか無くてさ…。ちょっと、いろいろ考えていた」


「そうか…。そりゃ、そうだよな…。俺も花上が亡くなったと聞いてから、ずっと訳が分かん無くて、今日までの二日間、ずっと涙が止まらなかった…。あまりにも泣き過ぎると、泣きたくても涙が出無くなるんだよ」


 よく見ると、田井島の目は赤く充血している。不思議な事に華はこの二日間全く泣いていなかった。この二日間、全く泣く暇もなかったわけでもないのに…。やはり、悲しみよりも怒りの方が強いからだろうか。


 昔から、困った人がいたら、すぐに首を突っ込む人ではあったけど…。何も車に突っ込ま無くてもいいじゃないか?


 それとも、相手の子どものことはもちろんのこと、自分も助かるつもりでいたのだろうか…。遺影の春樹はドヤ顔でみんなを見下しているようだ。若い頃と同じように、体を身軽に動かせると思って、思うように体を動かせずに、さぞがっかりした事だろう。


 私達、もう三十よ。その結果、命失ってからあの世へ行ってしまったし…。残された私達は一体どうなるのよ。


「田井島。どうして…こんなことになったのかな? 私、こんなこと、全く望んでないのに…。あいつ、勝手なことばっかりしやがって! もう、殴ってやることもできないよ…」


「おい、鳥飼。落ち着くんだ。ここは人の目があるから…」


「どうやって、幼子と二人でこれからを生きていけって…言うのよ! 女手一つで育てられるわけないじゃない!」


「だから、落ち着くんだ…」


 これまで、必死になって抑えていたものが、もう抑えられ無くなった。これまでの二日間、病院で春樹の遺体と対面してから、すぐに通夜をして、明日は葬儀もしなければいけなかった。通夜を終えた今、あふれた感情が止まら無くて、泣いているのか、怒っているのか、もはや分からない。


 いつの間にか、父や母、義父や義母もやって来ていた。父も母も、義父も義母も目を真っ赤にはらしている。誰もがあまりにも突然のことにとまどっていた。だれがこんなことを予想できたというのか? それでも、人の目がある所ではそれぞれが努めて冷静であろうとしている。

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