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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第17章 柚木結鶴の優しさ
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柚木結鶴の優しさ⑦

「そして、その人と後に結婚することに決めたけど、その矢先に卵巣腫瘍ができてしまって…。後は前に話した通りよ」


 ようやく、柚木が全てを話し終えた。柚木の世界に完全に飲み込まれていた。やはり、言葉が出で来ない…。それでも一つだけ気になることがあり、あえて質問することにした。


「ところで田吉さんとは、幼なじみと聞いていましたが、田吉さんも神戸出身なんですか?」


 田井島は柚木が神戸出身だと聞いて、そしたらおっさんも阪神大震災の被災者ではないか…とふと素朴な疑問を感じたのであった。すると、柚木が小さく首を振った。


「太一は小学三年生の時だったかな…。広島から転校して来たの。たまたま、小三と小四でクラスが一緒になってね。あと、中二の時にまた一緒になったかな…」


「へえ…」


「確か、太一のお父さんが大手商社勤めで、全国を転々としていて、中二の時に名古屋へ転校してしまったの。だから、阪神大震災の時は神戸にいなかったし…」


「ええっ!」


 それはまた衝撃の事実である。人の縁とはどこでどのようにつながるか、その時にならないと分からない…。


「私達が会うようになったのは、三年前の婚活パーティーで偶然再会したからよ。まさか、この街でそれぞれ鉄道運転手と大学教員として働いていたなんて…、思いもしなかったからね。だから、幼なじみと言うには微妙なところはあるけど、そうじゃないともはっきり言えないのよ」


 確かにそれは微妙だ…。それなのに、幼なじみと言いきってしまうところがいかにもおっさんらしい。ただ、神戸のことをずっと気にしていたようで、久々に柚木と再会した際に 『地震、大変だったらしいな…』 と気遣うあたりはさすがである。


 根は良い人なんだけどな…。思ったことをズゲズゲと言うし、思い込んだら譲らない人だから誤解されることが多い。実に残念である。

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