夢見る人々のうた
【檻の中】
もうずっと、ここにいる
不足はないはずだ
けれど満たされない
コップ一杯の水は、この身を素通りするだけで
本も、退屈な心を一時的に満足させる薬でしかない
薬はすぐに切れてしまう
もうずっと、ここにいる
地球の重力から
宇宙という名の世界から
私達が解放されることはなく
もうずっと、ここにいる
大切な人はここにいる
【終わりのない夢】
掠れた声で君の名を呼んだ
届かない 届かない
当たり前だ
これは夢なのだから
口の中が血の味でいっぱいになる
どうやら、少し噛んでしまったようだ
ずっと、僕は眠っている
自分の意志で
時々、夢をみて
しばらくして闇に落ちていく
その繰り返し
これはきっと罰だ
僕は罪を犯しすぎたから
何で僕は生まれてきたんだろう
あの子に恋をした
愛してしまった
あの子は僕よりずっと儚い
でも、僕より強いのかもしれない
永遠の眠り
眠り続けて、そのまま命尽きればいい
僕は思う
おやすみ、僕の愛しいあの子
どうか、僕のことなんて忘れたまま
君の運命に幸あれと
【怪盗】
自信満々の笑みに憧れた
夜の闇 星の輝き 不気味な月
紅い焔 青い海
全てを味方にして
かっこいいって
子どもみたいに思っちゃったんだ
大好きだ
僕もそうなりたいって
無理でも心は近づけるかな
森の木々が囁く時
懐かしくて
切なくて
きゅっと胸が締め付けられる
完璧なパフォーマンス
終わった後の寂しさ
桜が散るようで
そんな僕らに君は笑う
完璧なパフォーマンスを誇るように
自信満々の笑みに憧れる
「夢」という同じ言葉なのに、眠っている間に見る夢と叶えたい夢は全然違う。