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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夢の話

それはどこかの時代のどこかの町で起きた出来事。



少女はボーっと2階から窓の外を眺めていた。

それはただ眺めていただけで、彼女の視界には彼女を突き動かすようなものはなかったのだ。

そして今までも、偶に瞬きを行う以外の行動は起こさなかった。


幾許か時が過ぎた。少女の目の色が変わった。

彼女の眼に留まったのは黒い車で中から黒服を着た人たちが降りている。

「殺さなくちゃ」

ぼそりと彼女は言葉を漏らす。

そして、身を翻し、壁に立てかけてあったショットガンと、戸棚にしまってあった脇差を手に取り、1階と2階を繋ぐ螺旋階段を駆け下りる。

階段を降りると同時に無機質なチャイムが鳴った。

瞬間、扉が爆風によって吹き飛ばされ、さっきの黒服を着た人たちが入り込んできた。


少女はためらいもなくショットガンの引き金を引く。

ドンと大きな発破音を家中に響かせる。

弾は黒服の胸と顔に当たり、黒服は血を流して倒れた。


少女はショットガンのポンプを引きながら玄関に駆る。

もう一人、黒服が様子を見にやってくるのが見えると、少女は銃を構えた。

そして懐にもぐりこむ。

「――――――」

黒服が何かを言う前に少女は黒服の顎を打ち抜いた。

黒服の顔が肉片となって飛び散る。

その間に前から捕まえようとする黒服の喉を脇差で切り裂く。

少女は外に出て、黒服が乗っていた車まで走る。

車から降りようとする黒服に向かって、走りながら引き金を引くが、カチンと音を鳴らすだけだった。

チッ、っと少女は舌打ちをして銃を思いっきり投げた。

銃は黒服の顔面に命中し、思わずのぞけった。

黒服が怯んだ隙を狙い、少女は心臓に向かって深々と脇差を突き立てた。

そして静寂が訪れた。



少女は黒服がピクリとも動かなくなったのを確認すると、家に戻った。

顔に付着した肉片と鮮血を拭い落としながら階段をゆっくり上っていく。

少女が居た部屋とは反対方向にある扉に手をかける。


中には女性が一人、虚ろな目で床にへたり込んでいた。

「終わったよ、ママ」

少女はそう言うと、踵を返し自分が居た部屋に戻っていった。

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