酔夢
悪夢の貯蔵庫。
発狂のぶどうの実を一粒口にして、ボーダーラインを探してみた。
夢にまで見たものはついに叶わず、手のひらをかざしてもなにも触れず、呼吸の音は乱れてしまい、瞼は重くのしかかってくる。
遠くの惨劇を知っても、僕に見えるのは日常だけで。
これからもそういうことが続いて行くのだろう。
と、甘美な喧騒の中で甘い小悪魔に誘惑されながら、僕は詩を書いている。
制限区域。
境界線を一歩越えて、紺碧の空を見上げて息を吐いた。
ここに居ることを疑ってみて、ここは現実だと結論づけて、超過した時の中、ゆっくりと瞳を閉じてみる。
神様の日常を思い描こうとしても、僕にできるのは無根拠な空想だけで。
可と不可の間を彷徨う己が心を手で受け止める。
と、病的な感情を抱えながら、筆を置いた。
意味なんて理解できなくていいです。僕もよく分かっていません。