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男友達みたいなもんだから!(泣)

掲載日:2026/09/02

自サバチャレンジです!!(´∀`*)

「こいつ男友達みたいなもんだからさあ!」


 学園でのランチの約束に、婚約者のテリーは友人だという女性を連れてきた。

 テリーは学園の騎士科に所属しており、友人女性は同期だという。

「ごめんね〜、テリーの婚約者さんだっていうから一応挨拶しとかなきゃと思って」

 そんな必要があるのか?


 彼女の存在は知っていた。

 私は彼らより一つ年下で、ついこの間一年遅れで入学した。

 テリーと手紙のやり取りはしていたが、直接会うのは一年振り。会えるのを楽しみにしていた。

 しかし学園で見かける彼の横には常に彼女がいた。

 彼女は常に同期の男性たちにかこまれ、ベタベタと身体接触を行っていた。その胸元は大きくボタンを開けている。

 その異様な様は私たち一年生の間でも評判となっていた。


「あれは自サバ女ではありませんこと?」

「自サバに違いないですわ」

「自分ってサバサバしてるから〜女の子って陰湿だから男の方が気が合うんだよね〜というやつですわ」

「皆さん早計ですわ。ただの痴女かもしれませんことよ」

「自サバは痴女ではございませんの?」

「調べましょう」


 上級生に兄姉など知り合いのいるものは、各々あれは何なのかと尋ねたが、上級生たちは皆揃って口をつぐむ。


「年下の私たちに痴女とは言いづらいのではありませんか?」

「では痴女ですね」

「自サバの痴女ではありませんこと?」


 などという詮議があり、そしてついに今日この日、彼女は私の前にテリーとともにあらわれたのだ。

 物陰では友人たちが固唾を飲んで見守っている。


 今こそ判別の時!!!


「ごめんねー、マリッサちゃん(←私だ)お邪魔しちゃって。テリーと一緒にいること多いから誤解させちゃいけないと思ってさー。

 安心してね、テリーとは男友達みたいなもんだから」


 来た!!男友達みたいなもん!!!


「そうそう、こいつを女とは思えないからさあ、気にすんなよマリッサ!マジで男みたいなもんだから!」


 テリーは籠絡されている!!!


「ひっどいなー!男みたいなもんってさー!」

「うっわ怒んなってー!」


 彼女がテリーにヘッドロックをかけている!

 乳が顔に当たっている!!!!


 判定!!自サバにして痴女!!!


 私は友人たちにハンドサインを送ろうと——



「俺は女体化しちゃっただけでマジで男なんだから!!」



 ん?


****************************


「事情を説明するねー。俺、ランドルフ。

 半年前に魔法科の実験失敗の巻き添えくって女体化したの。

 主犯が王女殿下だったもんだから外へは漏らすなって箝口令しかれちゃってさ。学園内は寮生活である意味隔離されてるからね。今まで説明できなくてごめんねー。

 今元に戻る方法を殿下が模索してるんだけど、なかなか難しいみたいでさ…」


「そ、そうだったんですね…」


 自サバではなかった。痴女でもなかった。

 気の毒な人でした!!


「はじめはさあ〜これで女子更衣室とか合法に入れるウヒョーて思ってたんだけどさあー」


 あまり気の毒ではありませんでした!!


「女子に嫌がられちゃって…」

「でしょうね」

「でもみんな親切だからさ、更衣室はともかく慣れない体は不便だろうって優しくしてくれたんだ。

 特にアリサとメリーて幼馴染がいるんだけどさ、同じ騎士科とはいえ男女で近づきすぎるのもよくないからって疎遠になってたのが、この体なら問題ないし、心配して子供の頃みたいに親しくしてくれてさ。

 そんなこんなでキャッキャウフフしてたんだけどさ………気づいちゃったんだよね」

「それは……?」

 お二人のどちらかがお好きだとか…?

 


「俺、百合に挟まる男じゃね?て」


「は?」


「俺はね、百合に挟まる男を許せないんだ。

 心の底から許せないんだ。

 この世から殲滅するべきと思ってるんだ。

 TS百合は許されるのか?そこは議論が分かれるだろう。

 けどね、俺自身がTSなんだ。俺は俺自身を男だと思っている。性自認が男の身体女性を百合として扱っていいのか?それもわからない。ふたなりのことはおいておこう。

 ぶっちゃけポリコレ的にアウトで本人に対して失礼だろうが見た目が女子ならオッケーという気持ちはある。

 だが俺だ。俺がはたからみて女子だとしてもそれは俺には見えないんだ。自認として男としか思えないんだ。

 そうするともうだめだ。アリサとメリーは親友同士だ。そこに混じる俺はなんだ?百合に挟まる男だ。死ぬべきだ。 

 そして一度気づくともうだめだ。

 他の女子たちも仲良くしてくれていた。女子はやはり女子同士でかたまるものだ。そこへ混じる俺はなんだ?異物のクソだ。

 女子は女子だけでいるべきなんだ美少女動物園と言われようといるはずの男子生徒を描写しないそれが正義だ女子は女子だけでいるべきなんだ男主人公のハーレムものとか主人公おめえなんでいんだよでしかない俺はこの正義を信仰を守ってきた生まれる前から守ってきたその俺が!!!その!!俺が!!!

 この世で!!!最も!!!憎む存在にっ……!!!」


 泣き出しましたよこのひと。


「ランドルフ!元気をだせ!!」

 テリーも泣きながら泣き伏せるランドルフさんの背中をさすってます。

「マリッサ、ランドルフはな、チャラいわりに女性に対して硬派だと評判だったんだ。こんなことになるまで理由は知らなかったが、女性グループに近づくナンパ男を退治したりと、評判はよかった。

 だから騎士科の女生陣も、にょたドルフを受け入れていたんだが、日に日に憔悴するにょたドルフを問いただした結果、今の話を全員の前でして女子から総スカンをくったんだ。なんかキモいって言われたんだ。ちなみに男子はなんかわかるとわからないが半々だった。俺はちょっとわかる。それでこいつは俺らと過ごすようになったんだ。ある意味もとどおりだ。一見すると男連中の中に女一人混じってるように見えるかもしれないが、誤解しないでほしい。こいつは真実、男友達()()()()()()なんだ!!!」


ランドルフさんが涙をぬぐいつつおきあがり……


「今は男友達()()()()()()だけど……


 必ず、()()()に戻ってやるからな!!」


 ランドルフ!テリー!などと泣きながら抱き合っています。

 ランドルフさんは自サバでもなく痴女でもなく気の毒なひとでした。色々と。


——「男友達みたいなもんだから!」は自サバのよく言うアレではなく、真実「みたいなもん」だったのです。


「それはそうと女子は女子だけでいるべき思想と女子更衣室覗きたいお気持ちは反しませんの?」

「反しない。俺は壁になりたい」

 

 解せぬ。



*************************************

 さてそれから。

 自サバに籠絡されたアホではないとわかったテリーですが、結局婚約は解消されました。


 無事男性に戻ったランドルフさんに求愛したからです。


「男に戻ってよかった!男のお前が好きなんだ!!」と。


 自サバでも痴女でもないと安心していましたが思わぬ落とし穴があったのです!


 思えばランドルフさんの女子は女子だけ話を彼はちょっとわかると言っていました。

 彼は男は男だけ派閥だったのです。

 「男友達()()()()()()だから!」と言っていたのもあれです。普通なら気の毒な友人を慮って、『みたいなもん』はつけないでしょう。

 いずれ友達以上になりたいという心のあらわれだったのです!


 ランドルフさんはテリーをふって、女子更衣室の壁になる方法を求めて旅立ちました。

 テリーに残されたのは私に払った慰謝料による借金のみです。

 

 ところで私は男体化した王女殿下と結婚しました。

 そうですランドルフさんをにょたドルフさんにした殿下です。

 失敗で生まれた性別かえの魔法を確立し、ご自身を男性化しご兄弟方を押し除け王となり、ハーレムを築き上げたのです。私もハーレムガールズの一人です。


 いずれランドルフさんに再会できたら、これはアリかナシか伺ってみたいものだと思います。


 その時彼が、喋れるかどうかはわかりませんが。



♡完♡







 




 

壁ドルフ「…………」


ありがとうございました!(´∀`*)

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― 新着の感想 ―
しゅごい なんというかしゅごい
斜め上過ぎる・・・。
あれ、最後もしかして女体化したお詫びに壁になりたいという願いを叶えて貰えたのか。
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