アウトオブあーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 60話 18禁同好会
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
ひいろとみどり先輩は2人きりで徳用のふ菓子を貪っていた。
「……ご馳走様でした♪」
「手、拭くだろ?」
ひいろはウェットティッシュをみどり先輩に差し出した。
「……軽率にそーゆーことするの、ズルいです……!///」
「なら、次からはもっと仰々しくやらせてもらうとしよう。」
2人がイチャついていると、白ちゃんが部室に入ってきた。
「……もしかしてお邪魔だったかしら?」
「い、いえっ!?///」
「ふ菓子ならちょうど食べ終えたところだ。」
「そんな食いしん坊じゃないわよっ!///」
白ちゃんはそのままいつものパイプ椅子に腰を下ろした。
「ふぅ〜。……なんか、みどりちゃんがいるのもすっかり当たり前みたいになっちゃったわね。」
「すみません……!?そんな、溜まり場にしようというつもりは
「良いの良いの、もう私の溜まり場なんだし。」
「それはそれでどうなんだ?」
「溜まり場と言えば……、
「?」
「今年も空き教室を溜まり場にする同好会が増えてきましたね。」
「『も』……?」
「もうそんな季節なのねえ。」
「『そんな季節』……?」
「ひいろさんはご存知ないかも知れませんが、毎年このくらいの時期になると旧校舎の空き教室にいろんな同好会が溜まるんですよ。」
「入れ替わりが激しいから毎年変化が楽しめる……みたいだけど、今年はどんな同好会ができたのかしらね♪」
「そんなタケノコみたいに湧いてくるものなのか?一応みんな何かしらの部活には入ることになっていたはずだが……。」
「なので同好会の方たちはだいたい幽霊部員……旧校舎はさしずめ幽霊屋敷ですね♪」
「それでいいのか……いや、優れた統治に抜け道は必要とも言うし……どうなんだ?」
「ねえねえみどりちゃん、もう旧校舎見てきた?」
「はい♪今年もチンチラ同好会は盛況ですよ♪」
「チンチラ同好会は続投なのね。良かった〜、今年も触れ合いに行けるわね♪」
「ペットだと……!?」
「ひいろさんはご存知ないかも知れませんが、割とペットはメジャーですよ?他にもカブトムシ同好会とかありますし。」
「今年の大会は勝てるといいわね〜。」
「大、会……。」
「色んな学校の同好会が集まってカブトムシを戦わせてるみたいですよ?」
「もう『部』でいいだろうそれ……。」
「大会が非公式だからね〜。」
「グレーもいいとこだな。」
「グレーと言えば、『あーかい部』のみなさんは部で活動されているんですよね?」
「同好会じゃ顧問は免除されないからね〜。」
「……という訳だ。」
「な"……ッ!?それじゃ私が体よくサボるための隠れ蓑みたいじゃない!?」
「違うのか?」
「違わないけど……そんなこと言ったらひいろちゃんだって、エッチな小説書くための隠れ蓑にしてるじゃない……!?」
「なっ……!?///」
「もう知ってるから大丈夫ですよ?ヒーローレッドさん♪」
「 」
ひいろは言葉を失った。
「あら?みどりちゃん知ってたのね、ひいろちゃんのペンネーム。」
『ヒーローレッド』は赤井ひいろがあーかい部を隠れ蓑にして密かに嗜んでいる執筆活動用のペンネームである。
「な、な、な、なん……、で
「スマホの通知はオフにしておいた方が良いですよ?コメントが嬉しい気持ちはわかりますけど……、
「バレたくないならもうちょっと捻りなさいよ……。」
「殺してくれ……///」
ひいろは部室の隅っこで丸まってしまった。
「……そ、そうだ!みどりちゃん、官能小説同好会は無かったの?」
「ありませんね。」
「エロ本同好会も……?」
「はい。」
「18禁同好会も……!?」
「高校じゃ無理ですね。」
「「そっ(う)か……♪」」
白ちゃんとひいろは安堵と喜びが混ざったような表情を浮かべた。
「なんで2人とも嬉しそうなんですか?」
「へ?ああ、別にそんなことはないわよ……!?」
「そうそう……!」
「……。」
示し合わせたように何かを隠そうとしている白ちゃんとひいろを前にして、みどり先輩のほっぺが膨れた。
「あ……、いや、決してみどりさんを仲間外れにしているとかではなくてだな……!?」
「……、」
みどり先輩の眉間に皺がよりほっぺがさらに膨らんだ。
「えっと、その……!?
「『傾いた日差しに照らされ橙色に染まったベッドとは対照的に、
あからさまに動揺しているひいろを前に、みどり先輩は淡々と呪文のように言葉を綴りだした。
「え、なに?」
「『2人の顔に浮かび上がった紅色は日差しすらも寄せ付けなかった……。』」
「うわぁぁあ!?やめてくれぇぇぇええ!!??//////」
ひいろは部室の隅っこでさらにちっちゃく丸まった。
「そうですか……。私は好きなんですけどね、ヒーローレッドさんの一説♪」
「うっわぁえげつないわね……。」
「『一体今日だけで何回目だろう。休み時間のたわいもないスキンシップのつもりだろうが、彼女の悪意のない細指が的確に私の弱いところを這って
「喋るッ!!喋るから!!//////」
「……はい♪♪」
ひいろは屈した。
「その……なんだ。あーかい部はワタシと白ちゃんの2人から始まったものなんだ。」
「先程も言ってましたね。白久先生は顧問回避で、ひいろさんは執筆のため……と。」
「そうなの。18禁同好会なんてできたら、ひいろちゃんがここにいる理由がなくなっちゃうのよ……ね?」
「部員も最低人数だからワタシに抜けられると白ちゃんも都合が悪いんだよ……!///」
ひいろは白ちゃんの視線から逃れるように顔を背けた。
「それなら大丈夫ですよ。ひいろさん、ヒーローレッドさんの投稿頻度を落とすくらいにはあーかい部を気に入っているようですし♪」
「みどりさんっ!?///」
「なら当分は安泰ね♪」
18禁同好会(3)
みどり:なんだかドキドキしちゃいますね……!?
白ちゃん:お疲れ様……?
ひいろ:なんなんだこのグループ名は……
みどり:18禁同好会です!
ひいろ:いや見ればわかるんだがそうじゃなくてだな
みどり:なんで18禁同好会なんて作ったのか理由を聞きたい……そんなお顔をしていますね?
ひいろ:そういうことにしておいてくれ
みどり:素直じゃないんですから♪
白ちゃん:さっきから延々と私は何を見せられているの……?
みどり:18禁同好会です!
白ちゃん:えぇぇ……
みどり: 白久先生、なんで18禁同好会なんて作ったのか理由を聞きたい……そんなお顔をしていますね?
白ちゃん:なんなのこれ?
ひいろ:みどり先輩、きはだと絡むとこうなるんだ
ひいろ:どうせ近くできはだが見ているんだろう
みどり:なんでわかっちゃうんですか!?
ひいろ:きはだとは長年の付き合いだからな
ひいろ:四捨五入したらゼロだがな
みどり:『四捨五入したらゼロ』だそうです♪
白ちゃん:流行ってるのそれ……?
みどり:はっ!?いけません、理由を話さなければ……!
白ちゃん:それよそれ、こんな名前のグルーブで生徒とつるんでるなんてバレたら私の首が飛んじゃうわよ
みどり:本当の18禁同好会が出来たらひいろさんはあーかい部にいる理由がなくなってしまう……
みどり:そこでみどりちゃんは考えた……。なら、先に私たちが18禁同好会を名乗ってしまえばいいではないか!
ひいろ:きはだが打ってるのバレてるぞ
みどり:なんですとぉ!?
白ちゃん:きはだちゃんのしわざだったのね……
みどり:にゃーーっはっはっは!こぉんな面白いネタ、骨の髄までしゃぶり倒さねば損というものぉ……!
ひいろ:みどりさんのガワ被って変なこと言うな
みどり:変だなんて、酷いですひいろちゃん……ウルウル
白ちゃん:こうしてみるとすんごい違和感ね
ひいろ:みどりさんはそんなこと言わないぞ
みどり:ところがどっこい、私です!
ひいろ:なん、だと……!?
みどり:なんなら全部私です
みどり:流石きはださん、完璧にみんなを騙せちゃいました♪
白ちゃん:画面の向こうでほくそ笑んでるきはだちゃんのお顔が浮かぶわね……
みどり:お楽しみいただけたかな?
白ちゃん:それはそれとしてグループ名は変えておきなさい
みどり:はーい♪




