種と種芋は見ているだけでも楽しいという話
雪国においては雪がバンバン降る間は、農作業はやりたくてもやりようがなく2ヶ月ちょっとの冬休みとなる。
そして大概冬休み明けになるのが2月の後半ころ。流石にまだ大々的に畑に入ってどうこう、ということはできないが、ここのところ気候は春のように暖かく、降った雪の厚みが20センチそこそこまで減ったので、秋まきのえんどう豆とか、茎立菜がどんな具合か、ヒマなときに見てみる。
溶けかけた雪を払うと、えんどう豆はちょっと小さいか。今シーズンは育ち過ぎで枯れるのを嫌って12月に蒔いたものだから、当たり前といえば当たり前。金をとるには早出ししたほうがいいので、がめつい自分が心の奥でぎゃあぎゃあ騒ぐのを感じる。いやまあ、待てって。大丈夫だから、5月からの出荷でも結構いい感じに金になるから。
茎立菜は絶好調。暇庭の大好きな野菜なのでこれは素直に嬉しい。山盛り茹でて煮干し粉をかけ辛子しょうゆで食べると、野菜をたっぷり補給された身体が俄然元気になる。あと2カ月で食べられるかな。期待である。
思い出して去年植えた玉ねぎも様子を見に行く。……あれっ、思ったより肥やしの効いた姿をしている。何かの作物で施したものがのこっていたかな。ちょっと思い当たらないが葉色が濃いので今年は追肥なしで通すかもしれない。
にんにくはどうか。おおお。これも絶好調。強いいきいき芽が出ていて100点の出来ばえだ。ここから先はお天道様の機嫌次第なので神頼みあるのみ。
はたと思い出して梅を見に行く。初めて種から芽が出たものを育ててみているのだが、これも多分大丈夫。冬芽は数こそ多くないが焦らなくていい。そんなに急いで収穫したいものではない。
あっそう言えば。と、これまた思い出して、じゃがいもの種芋の出回り具合もスマホでチェック。ああやっぱりもう店に並んでいる。じゃがいもの種芋は早めに買っておくに越したことはない。まだ寒いからねなどとタカを括っているとアッと言う間に品切れになって泣きをみるのはわかりきっているからだ。
小雪の舞う昼下がり、となり町の種苗店へ買い出しに。寒さゆえ苗ものは流石に買えないが種と種芋は買って問題ない。今回のお目当てはじゃがいも……品種で頭を悩ますのも毎年恒例になった。ええい販売戦略とはいえ魅力的な文言で釣ってきやがって……インカのめざめかぁ。大好きだけど、だめだ、うちのベトベトの土では作れない。
大人しく男爵……いやまて男爵は包丁でむくのが面倒くさいぞ。ならメークイン……これもうちの畑ではうまく育たないので却下。
「あっ。とうや良いなあ!」
以前作ったときとにかく使いやすかったので、とうやの種芋を3キロ。かわいそうなくらい小さい種芋だが、小さいなら切らないで植えればいいのだ。やりようなんかいくらでもある。
「キタアカリ……んん〜……」
暇庭の大好きなキタアカリ。ベイクドポテトにすると最高の味なのだ。栄養価もほかの品種よりちょっとだけ高い。ビタミンCに優れるとかなんとか。料理にするにはちと芽を取るのが面倒である。どうするか……頭が悩む間に手が自然とキタアカリの種芋をとって買い物かごに入れてしまう。まあ、いいか。だって美味しいもの。
その他の品種は冷やかし程度にみていく。おー紫じゃがいもだ……どうやって使えばいいか俺にはわからんな、十勝こがね……これも使い方わからん。多収品種なら来年試してもいいか。 えっデストロイヤー……?ゴジラと戦ってるみたいな名前してんな
品種というのは眺めるだけでも楽しく、つい寄り道していろいろ見てしまう。
種コーナー……あっ、白かぼちゃ。買っとこ。インゲンは……場所決まらないので今回はパス、唐辛子は買おう。種から育てるのはかなり経済的だ。ヒマワリ……真夏の陽射しよけには必要になるだろうな。買い。長ネギは秋まきにしようそうしよう。
そんなこんなで、種や種芋を種苗店にて買ってきた。父も一緒に行ったがヤーコンの苗を注文してきたそうな。ヤーコンねえ……俺はちっと苦手なんだよな……
長いような短いような百姓の冬休みに、終わりが見えてきた。決まったところも決まっていないところもあるが、種苗店であーでもないこーでもないと考えながら種を見て回るのはやっぱり楽しい。さあ、いよいよ春が待ち遠しいものだ。
やや早いが種芋と野菜の種各種を買ってきた。
じゃがいものバリエーションの増えたことにはびっくりさせられる。好みが細分化しつつあるのかもしれない。
ひまわりは巨大輪のものを選んでみた。お化けヒマワリはいかなるものか。それもちょっと楽しみである。




