表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Frange ruinam   作者: S
スパティア編
39/40

独壇場

膝が折れ、地面に手をつく。吐いた血が、冥界の水面に広がった。


「……ルイーナ!?」


「来ないで」


駆け寄ろうとするモラを制し、私はゆっくりと立ち上がった。視線を上げた先には、無数の魂の群れがこちらを見ていた。


スパティアは、魂を操る能力を持つ。つまり――


「冥界は我の独壇場なのだよ」


スパティアが、そう言い放った。


魂にも能力がある。なら、この場にいる魂は、すべて敵になり得る。さっきまでの数の優位は、もう存在しない。


「ルイーナ、前!」


モラの叫びに反応し、私は正面から迫る光を拳で叩き砕いた。次々と飛んでくる攻撃を避けて、叩き落とす。だが――距離が詰められない。


操られている魂は10体ほど。おそらく同時に操れる数には限界がある。一体一体は、簡単に倒せる。だが――キリがない。


私は迎撃しながら、ネブラの側へ寄った。


「どうするの?このままだと、あいつに触れない」


「スパティアに圧をかければ、操る余裕は消えるはずだ」


ネブラは即答した。


「なるほどね……分かった」


私は頷き、モラの元へ駆け寄った。


「スパティアに突っ込む。援護お願い」


「……無茶言うなぁ。頑張るけど」


その言葉と同時に、モラの魔力シールドが前方に展開された。シールドが壁のように押し出され、迫っていた魂をまとめて弾き飛ばした。


私は地面を蹴った。一直線に、スパティアへ走り出す。魂の攻撃を最小限の動きで避け、間に合わないものは拳で砕く。勢いを殺さず、そのまま突き進んだ。


背後では、モラが次々にシールドを展開し、ネブラが魂を薙ぎ払っている。


その時、スパティアが薄く笑った。次の瞬間――空間が裂けた。


「気に入ってるんだよね、これ」


現れたのはアニムスだった。次の瞬間、奴が手を振るった。その直後、私は身体を弾き飛ばされ、地面に手をついた。


違和感を覚え、視線を落とすと掌が血で濡れていた。ゆっくりと顔を上げる。視線の先ではモラが、倒れていた。


「……モラ……!」


腹部が深く裂けている。わずかに息はあるが、このままでは――


「ルイーナ、前を見ろ」


顔を上げると、ネブラが前に立っていた。


「このままだと、全滅する。やるべきことをやれ」


「……分かってる」


私は立ち上がった。


スパティアは、もう魂を操っていない。その隣に、アニムスがいる。もう、十分ということだろう。


――私の今やるべきこと、それは、こいつらを殺す事だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ