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Frange ruinam   作者: S
魂編
27/39

凶暴

「土地神って思ってるより強くない?」


モラがネブラにそう問いかけた。


「元々強くはないぞ。魂の集合体ということもあるがな」


「戦った土地神のアニムスってさ。どれぐらいの数の魂が集められているの?」


「さっきのは、およそ40個ぐらいだな」


「およそ40……」


モラはそう呟くと、視線をルイーナにやった。


「あれ、大丈夫ルイーナ?」


モラが声をかけた、その瞬間だった。ルイーナの拳が、容赦なく振り下ろされた。


「――っ!?」


鈍い衝撃音とともに、モラの体が吹き飛ぶ。地面を転がり、倒れ込んだ。


ネブラがルイーナを見て眉をひそめた。


「何だ?」


ルイーナは何も答えない。焦点の合わない目でネブラを見つめていた。


次の瞬間、地面を蹴る。ネブラへと一直線に突っ込んだ。拳が振り下ろされる。


振り下ろされる拳を、ネブラは顕現させたハルバードの柄で受け止める。凄まじい衝撃が走るが、ネブラはその力を受け流し、空いた手で手刀を彼女の首筋に叩き込んだ。


ルイーナはそのまま崩れ落ちた。


モラがゆっくり起き上がる。


「……何で、ルイーナ?」


「さあな、本人に聞くしかないだろう」


ネブラは倒れているルイーナを目にやった。


しばらくして、ルイーナがゆっくり目を開けた。


「……あれ」


モラが顔を覗き込む。


「大丈夫?」


ルイーナは周囲を見回した。


「……何が起こったの?」


二人は顔を見合わせ、今起きたことをルイーナに話した。


「そんな……ごめん」


ルイーナは下を向いて呟いた。


「記憶が関係してるとか?でも、ルイーナが気に病むことじゃないよ」


「スパティアの仕業かもれん。まあ、また暴れても止めてやるから安心しろ」


ネブラは淡々と言い放った。


「……二人とも、本当に心強いね」


ネブラは背を向けた。


「宿に戻るぞ」


三人はその場を後にした。



遠くの岩の上に、スパティアが立っていた。


「……準備は整ったようだね」


静かに呟き、踵を返す。


「そろそろ始めるとしよう」


スパティアの姿は、空間の中へ消えた。


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