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Frange ruinam   作者: S
魂編
25/40

守るために

「……それって結構やばくない?」


モラは目を見開きながら言った。


「現に、我らは土地神共を屠ってしまったな」


「今から何とかできないの?」


「無理だ。……魂の集合体は幽霊にならない。だが、単一の魂は幽霊に変化する」


ネブラは続けた。


「そして幽霊は、魔や神などに殺され、魂だけ冥界へと送られる。そこで成仏させられるわけだ」


「つまり、もう冥界に送られてるってこと?」


「そうだ」


ネブラは、ばつが悪そうに答えた。


「とりあえず我は神々に報告してくる。お前たちは体を休めていろ」


そう言うと、ネブラは立ち去った。


立ち上がろうとした瞬間、吐き気が込み上げた。

口を開くと、血がこぼれ落ちた。


「ルイーナ!?」


モラの声を最後に、私は意識を失った。


目を覚ますと、白い天井が見えた。体を起こすと、モラが目を見開きながらこちらに駆け寄ってきた。


「大丈夫、ルイーナ?」


「ここは……?」


「病院だよ。急いでここまで運んだの」


「魔界にも病院ってあるんだ……モラ」


そう言うと、モラは目を丸くした。


「ありがとう」


「お互い様だよ!」


モラはそう言って笑うと、部屋を出ていった。


私は息をつき、ベッドに寝転がった。スパティアは、一体何が目的なのだろうか。奪われた世界を取り戻す――その“奪われた世界”とは、何なのだろう。そんなことを考えているうちに疲れが出たのか、私は再び意識を失った。


それからしばらく病院に入院し、やがて退院した。その間、ネブラの姿を見ることはなかった。


「そういえば、どうして魔力が通貨代わりなんだろうね?」


モラは私にそう問いかけた。


「だって、譲渡された魔力は二度と回復しない。

でも、譲渡した側の魔力は自然に回復するじゃん?」


モラは不思議そうに首を傾げた。


「それでも、魔力が少ない魔には助かるんじゃないかな。魔は力を求めるっていうし、魔界では魔力を多く使うだろうしね」


「そういうものか」


しばらく歩いていると、向こうからネブラが歩いてきた。


「久しぶり、ネブラ!」


モラが手を振ると、ネブラは気付き、こちらへ近づいてきた。


「なんか、疲れてそうだね」


「報告がな」


ネブラはそう言うと、溜息をついた。


「神は動いてはいるが、人間界でしか活動できないからな」


ネブラは淡々と言った。


「じゃあ、私達が頑張るしかないよね。でも……私って結局何もできてなかったな」


モラはそう言うと、下を向いた。


「そんなことないよ」


そう言うと、モラは驚いたようにこちらを見た。


「モラは、いつも私を守ってくれてるからね」


「それって、物理的に?」


「どっちもだよ」


そう言うと、モラは嬉しそうな顔をした。


「では、戦闘力向上を目指し模擬戦を行うとしよう」


ネブラの言葉と同時に、風が吹き抜けた。


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