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Frange ruinam   作者: S
神様編
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第十六話 再三

次回新章です。

「……これからどうするの?」


城の広間に二人を寝かせ、私はネブラに問いかけた。


「やることは変わらない。一刻も早くスパティアを討つだけだ」


ネブラは玉座に腰を下ろし、淡々と答えた。


「でも、スパティアが空間を操るなら、会うこと自体が難しいと思う。それに、手がかりはあるの?」


「ある」


即答だった。


「スパティアの棲家だ」


「棲家?」


「あぁ。アニムスのような魂の集合体を作るほどの存在だ。拠点の一つや二つ、持っていても不思議ではない」


ネブラは肘掛けに頬杖をつき、静かに続ける。


「魔ではなく、神の魂ともなれば、気配が濃い。それに、その棲家に魂があると、我は踏んでいる」


「つまり……気配を辿れるの?」


ネブラの目が細くなる。


「我ならな」


その声音に、迷いはなかった。


「だが」


ネブラの声がわずかに低くなる。


「向こうにも当然感づかれる」


広間の空気が静まり返る。これも罠かもしれない。それでも――


「行くしかないよね」


ネブラは小さく笑った。


「そうだ」


「……痛ったぁ」


かすれた声が響いた。振り向くと、モラがゆっくりと身を起こしていた。


「大丈夫?」


私は駆け寄る。


「何があったの?」


状況が飲み込めない様子のモラに、私はこれまでの出来事を簡潔に伝えた。モラの顔色が変わる。


「そんなことが……。それって、また魔界に戻るってこと? 窮鳥崖に行くんじゃなかったの?」


「神の魂を使って、アニムスのようなものを作られては堪らない。それにもう時間がない。再び魔界へ向かうとしよう」


モラは眉をひそめた。


「私、今起きたばっかなんだけど」


そう言って、再び床に倒れ込んだ。


「モイラさんは?置いていくつもり?」


「この城に侵入する者はいない」


ネブラは玉座から立ち上がった。


「仮にいたとしても、ここは神域外。認識すらできん」


「じゃあ今、私達にモイラさんが見えるのは……」


「縁が結ばれているからだろうな」


そう言いながら、玉座の近くの鏡へと歩み寄る。


「それって、もしかして――」


モラの言葉が途切れる。鏡の表面がゆらりと波打った。ネブラが振り返る。


「行くぞ」


次の瞬間。三人の姿は鏡の中へ吸い込まれるように消えた。



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