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Frange ruinam   作者: S
神様編
16/38

再三

次回新章です。

「……これからどうするの?」


城の広間に二人を寝かせ、私はネブラに問いかけた。


「やることは変わらない。一刻も早くスパティアを討つだけだ」


ネブラは玉座に腰を下ろし、淡々と答えた。


「でも、スパティアが空間を操るなら、会うこと自体が難しいと思う。それに、手がかりはあるの?」


「ある」


即答だった。


「スパティアの棲家だ」


「棲家?」


「あぁ。アニムスのような魂の集合体を作るほどの存在だ。拠点の一つや二つ、持っていても不思議ではない」


ネブラは肘掛けに頬杖をつき、静かに続ける。


「魔ではなく、神の魂ともなれば、気配が濃い。それに、その棲家に魂があると、我は踏んでいる」


「つまり……気配を辿れるの?」


ネブラの目が細くなる。


「我ならな」


その声音に、迷いはなかった。


「だが」


ネブラの声がわずかに低くなる。


「向こうにも当然感づかれる」


広間の空気が静まり返る。これも罠かもしれない。それでも――


「行くしかないよね」


ネブラは小さく笑った。


「そうだ」


「……痛ったぁ」


かすれた声が響いた。振り向くと、モラがゆっくりと身を起こしていた。


「大丈夫?」


私は駆け寄る。


「何があったの?」


状況が飲み込めない様子のモラに、私はこれまでの出来事を簡潔に伝えた。モラの顔色が変わる。


「そんなことが……。それって、また魔界に戻るってこと? 窮鳥崖に行くんじゃなかったの?」


「神の魂を使って、アニムスのようなものを作られては堪らない。それにもう時間がない。再び魔界へ向かうとしよう」


モラは眉をひそめた。


「私、今起きたばっかなんだけど」


そう言って、再び床に倒れ込んだ。


「モイラさんは?置いていくつもり?」


「この城に侵入する者はいない」


ネブラは玉座から立ち上がった。


「仮にいたとしても、ここは神域外。認識すらできん」


「じゃあ今、私達にモイラさんが見えるのは……」


「縁が結ばれているからだろうな」


そう言いながら、玉座の近くの鏡へと歩み寄る。


「それって、もしかして――」


モラの言葉が途切れる。鏡の表面がゆらりと波打った。ネブラが振り返る。


「行くぞ」


次の瞬間。三人の姿は鏡の中へ吸い込まれるように消えた。



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