目覚め
窮鳥崖は、奇岩や怪石が連なり、自然の荒々しさをそのまま刻みつけたような場所だった。崖の頂から吹き抜ける風は驚くほど澄んでいて、張りつめた心を一瞬だけ軽くする。その頂に、小さな祠がひとつ、ひっそりと佇んでいた。
私は何ヶ月もここへ通い続けた。だが、移譲神が姿を現す気配は、一度もなかった。このままでは時間を無駄にしてしまう。そう判断し、私は次の神のもとへ向かう決意をした。
私は《神の伝承》を思い返す。この国に残る、最後の神。「破壊神ペルデレ」破壊を司り、絶対的な力を持つ災厄の存在。
その神は、《��ン價βkハXホW瘢》に鎮座떂쒂ꊂ떂ꊂ。チyo0娚�0Bl�0�0_0��ン價βkハXホW瘢k0TK0c0_0。霑ス諞カ縺ィ蠢伜唆縺ォ縺ッ隗ヲ遨「縺ョ險俶�カ縺ィ諤晄Φ繧� ꦌ쒂ꊂꦂ䢁
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目を開けると、天井が見えた。ネブラとモラが、心配そうに私を覗き込んでいる。
「寝不足?」
モラが心配そうな顔をした。
「準備ができたら出るぞ」
ネブラはそれだけ言って、少し離れた。
モラが私の手を引く。
「ルイーナも行くよ」
私は小さく頷いた。家を出る前、私達は悪魔の夫婦に礼を告げた。
「ありがとうございました」
私達は、二人に手を振り別れた。
封印の地へ向かう道中、私は記憶を整理していた。あれは夢ではない。マテルテラさんと別れたあの日の後。私は、確かに多くの神に出会った。そして――何かを見た。忘れさせられていた記憶。
私は二人に話すべきか迷った。だが、隠して進めば、きっと取り返しがつかなくなる。意を決して、口を開く。
「……私、忘れていた記憶がある」
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「そんなことが…」
モラが目を見開く。
「なるほどな」
ネブラが先に口を開いた。
「何が?」
私は問い返す。
「お前、我に会った時“久しぶり”と言っただろう。我は人間に興味はない。だがな、30年程度なら戦った相手くらい覚えている」
胸が強く打つ。
「それって……」
「我は、お前に会ったのはあれが初めてだと思っていた。我の記憶が正しければ、だがな」
足元が崩れたような感覚がした。――じゃあ私は。破壊神のいる場所へ行こうとし、城へ辿り着くまでに、30年以上の時間を過ごしていたというのか。背筋が凍る。だとしたら、私はその間、誰として、どこで生きていたのか。自分の姿は、あの日と何も変わっていないというのに。
沈黙を破ったのはモラだった。
「でも、私はルイーナが話してくれて嬉しいよ」
彼女は柔らかい笑顔をした。
「原因は分からないけどさ。今は、やれることを皆んなでやろう!」
私は小さく息を吐き、頷いた。
「そうだな」
ネブラが翼を広げる。
「だが、お前らは遅いな。置いていくぞ」
そう言うと、一気に速度を上げて飛び立った。
「待ってよ〜!」
私とモラは顔を見合わせ、慌ててその後を追った。魔界の空は、どこまでも紅に染まっていた。




