Frange ruinam
自身で書いてAIに修正してもらっています。
残酷表現が少しあるので注意です。
「この世は残酷だ」
私は薄暗い夜道を、ふらふらと歩いていた。
血が止まらない左腕を押さえ、歯を食いしばって痛みに耐える。
「必ず、今度こそあいつを殺す」
そのためなら――時間だって、なんだって壊してやる。
私は、自身の時間を壊した。
それが、私の能力だった。
物心ついた頃から、私は悪対人隊という組織の研究室で生活していた。
寝ること、食べること。それだけを許された最低限の暮らし。
疑問はいくつもあったが、あの人たちは私を空気のように扱った。
必要なときだけ使われ、そうでなければ存在しないものとして。
十五歳の誕生日。
その日に、私はすべてを知らされた。
私の家系には、稀に「能力」を持って生まれる者がいる。
母も、その一人だったらしい。
だが母は、悪魔によって帰らぬ人となったと知らされた。
この国――ヴァルグレイア王国には「悪魔」が存在する。悪魔が住む城の周囲には、赤い霧が立ちこめ、近づく者を拒むように一帯を覆っている。
その悪魔を討つために作られた、国公認の組織。それが悪対人隊だった。
能力を持つ者は、例外なくそこへ入れられる。そして十五歳になると、悪魔討伐へと送られる。
城へ向かった者は、これまで何人もいた。
だが――帰ってきた者はいない。
そして、次は私の番だった。
城は、目が焼けるほど赤い霧に包まれていた。一歩踏み込むたび、空気が重くなっていく。
慎重に城の中へ入った、そのとき。
そこにいたのは――
赤い瞳を持ち、大きな翼を背に生やした、一人の男の姿だった。




