ギャノメシ① ルミメシ① ルミのランチ事情
それは、まだルミが編集部へ来て間もなかった頃。
ピーン ポーン パーン ポーン…
「お、メシの時間か。あ、ルミさんって、昼メシはどうすんです? お弁当とか持って来てるんですか?」
声を掛けたのは編集部小林。
「オベントー? …いえ、そういうのは持ってないんでこの辺りで食べなくちゃいけないんですけど、どうしたらいいか分からなくて…」
「いつもはどうしてたんです?」
「出社時にそこのコンビニエンスストアでサンドイッチとか買って…」
ガタンッ
「ヒッ⁈」
小林がいきなり立ち上がった(しかもイスが倒れた)のでルミは驚いた…が。
「緊急事態! 編集部員諸君! ルミさんがランチで困っておられる! 諸君らの中にこのお困りのご婦人に差し出す救いの手を持つものはあるか?」
芝居がかった口調で小林が叫ぶと、編集部員(編集長除く)はおろか入稿に来ていたライター、カメラマンまでもが全員一斉に机の引き出しやカバンをガサゴソ漁り、あるいは側にあったメモ用紙に何やら書き込み始める。
そして一分ほどのち…
「「「お納めください!」」」
と皆が一斉に差し出したのは編集部近辺の飲食店の割引券やクーポン、それにオススメの店とその地図が書かれたメモ。
「あの…えっと…ありがとう…ございます…」
いつもの冷ややかな態度はなく、ただただみんなの勢いに圧倒され、言葉が出ないルミであった。
それを見ていた岩竹編集長曰く。
「…こりゃオタサーの姫、だな…」
本作品、イマイチキャラが立っていないのでは?とお思いかもしれません。書いた本人的には「そーかなー? キャラ弱いかなー?」と思ってしまう原因が、このサイドストーリーズ。特にルミなんかはこっちの方がイキイキしているような気がします。それと本編ではページの都合上あまり編集部内の様子を書けなかったので、こっちで書いてます。ただあくまで裏設定を文章化したものなので、設定が微妙に本編とズレがあったりするかもなんですが、まぁどんまい。