信仰こそ力なり その4
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
祐介たちが転移可能な領域に着いたのは、バテレンさんが女とバレてから、三日後のことであった。
獄卒らが出張時に使う、小汚く小さな出張所。その扉を無造作に開けて十人ずつ複数回に分けて、美紗子の待つ別荘へと飛んで行く。
「美紗子、只今」
「ミーたん、只今ん」
第一陣の祐介とひろみちゃんが、美紗子に媚を売る。
「話はついてるとは言っても種馬が、只今、言うのはムカつくなぁ」
「まあまあ、ひろみちゃん。俺たちは、もう仲間。貴方は我が教団の幹部。私はその教祖様、将来ウハウハ」
片目を瞑って見せる祐介。
「随分、気の早いことね。課題は山積みよ。それにミーたんはもうやめて」
「はいです。ミー・・・美紗子さん」
素直に従う、ひろみちゃん。
そうこうしている間にも斉藤衆、鈴木衆が次々と転移してくる。
「ふん。頼りない弱小鬼神衆だけど、居ないよりマシね」
腰に手を当てて、詰まらなそうに見下している。
「ん、珍しい妖怪もいるわね。河童?」
「河童じゃ無いし、バテレンだし、違うしバテレンハゲの亀だし、いや、それも違う」
「で、ひろみちゃんは、どの面下げて私の軍門に降るのかしら?」
美紗子は、詰まらない玩具から興味が引いたように話題を変えた。
「僕チンたちの利益を考えた結果だよぉ。我ら弱小鬼神衆は、しっかり先を見ないと繁栄出来ないからねぇ」
「ふん。昔からそういう所が卑屈で嫌いなんだよ」
唾を吐き捨てるように言う。
「知力はともかく、戦闘能力も胆力も、野心も良い具合に持ち合わせているのに、どうして、そうも卑屈なんだい?」
「僕の両親を見れば分かるでしょうに。更に爺様、婆様を見たら、納得以外の結果は出ないんだよぉ」
美紗子は、俯いて額を抑えた。
「はぁ〜、だから最初は、ひろみちゃんのために考え始めたんだけどねぇ」
美紗子は諦めたように小さく呟く。
「まあ良いわ。今となっては、ただのコマ。私は私と私の子孫のためにやり遂げて見せるわ」
「お? 次郎丸、達者にしてたか?」
「地獄で達者も無いだろうよ」
涙目の次郎丸が祐介に擦り寄って行く。
「次郎丸、パパに気安く近づいてはダメ。それより、次郎丸もサッサとア・ナル教に入りなさい」
美紗子が次郎丸の首根っこを掴み、有無を言わさずに祐介の足元に引き据えて、例の儀式を叩き込む。
「心から信心せよ。されば宝玉も宝剣も生き返らん」
「祐介ぇ〜。心から信心するから奥方様の折檻から解放しておくれよぉ〜」
「ん、気にかけて置こうぞ」
「はは〜」
「美紗子、こいつの所有権は変えられんか?」
「まだ実験中だからダメね」
「そうか。諦めろ」
「そんなぁ〜」
冷たい視線で突き放された次郎丸が、子犬のように縋り付く。
「パパはもっともっと頑張って信者を増やしてね」
美紗子が祐介の信仰を励ますなんて、なんとも不可解である。
「その心は?」
「新地獄開闢のためよ」
裕介はバカなのでポカンとしている。
「簡単に言えば死後の価値観の共有、大王の存在。この二つが新規作成のキモなのよ」
うん成る程、ここの地獄は便宜的に二つに分けられているけど、いわば同じ土地を分け合っているようなものであるが、新地獄開闢は別次元に新世界を作るようなものらしい。
その力となるのが、強固な価値観の共有なのである。人それぞれ多少の差異は問題ないが、概念的なものはイメージを固定化するために力強くないといけないらしい。
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。




