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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
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信仰こそ力なり その1

どうぞよろしくお願いします。

 と言うわけで、みんなは狭間を離れて、美紗子の別荘へ向かう事になった。

 狭間から随分と離れたが転移は出来ないので、取り敢えずブレスによる通信が出来る場所まで来たら、美紗子に連絡を取り、徒歩で別荘へ転移できそうな場所へ向かう事にする。

 美紗子に連絡が取れた際に、野望を諦める意思が無い事を確認し、そうであれば我々も手を貸す事を告げる予定である。

 「おい美紗子。久しぶり」

 「パパ。どこで遊んでいるのよ。早く我が家へ帰ってらっしゃい」

 「だ〜れがパパよ。どこが我が家ですって〜」

 身の毛もよだつ地獄からの声が聞こえて来た。

 「あらあら、お蝶。貴方にも、まだ利用価値はあるから、こちらにいらっしゃい。おコンもね」

 お蝶の口からギリギリと歯軋りの音が鳴る。

 「わかった。今からそっちに向かうけど、俺の仲間に加えて牛馬妖怪と、ひろみちゃんもヒゲも、その郎党衆も居るけど問題ないか?」

 「あら、それは好都合ね。そいつらは私たちの手駒にするつもりだったのよ。ど ん な手を使ってでもね」

 聞いていた者たちの背筋がゾワゾワと粟立った。

 「もう暫く時間がかかるが、そちらへ向かうよ」


 「あのアマは、僕チン達を脅し上げて、一味に引き込むつもりだったんだねぇ」

 「あのアマって、ミーたんとか言ってたオッサンが(てのひら)を返したように」

 「種馬君は、あのアマの恐ろしさを知らないからねぇ。僕はいつも猫を被ってたんだよぉ。消魂力とかも、下手したら地獄一じゃないかなぁ。悪知恵も天下一品だから、僕チンが生き残るには、彼女の掌で踊る馬鹿じゃないといけなかったんだよねぇ」

 どうやら、ひろみちゃんの苦労は傍目には分からない程のものだったようだ。

 「僕チンの女癖も、そのストレスが原因なんだねぇ」

 これについては明らかな嘘である。

 「我々斎藤家も、あの手この手で共犯にして利用するつもりだったようですね」

 ヒゲ隊長も苦々し気に、そう吐き捨てる。

 「でも俺が逃げ出す事までは、計算外だったんじゃね?」

 「それで、ひろみちゃんに圧力を掛けて、お上にバレないように処理しようとしたんだろうな」

 「そもそも私達が等レ16をグチャグチャにして、脱走まで計った事も予想外だったでしょうね」

 外道丸に続き、橋姫も現状を分析する。

 「そるもこるも、種馬どんが、とんだ大馬鹿もんで、小地獄の扉ば間違うけんな」

 「いやいやいや、それを言うなら、案内役の次郎丸の馬鹿の方が役立たずだからだろうが。俺も被害者だぞ。むしろ俺こそが最大の被害者じゃね?」

 大して役に立ちそうもない現状分析である。

 「ばってん、かったるかなぁ。テクテク歩き詰めたい」

 徹斎が退屈そうに両手を突き上げる。

 「おい河童。わりゃ何か芸ばせろ」

 「・・・」

 「河童、シカトすんな」

 「・・・」

 「牛頭馬頭、河童鍋ば食うか。俺が料理ってやろか」

 「そりゃ良い」

 「河童は、なんとなく玉の滋養にも良さそうな気がするしな」

 牛頭馬頭が舌なめずりをする。

 「可哀想だから辞めてあげなさいよ」

 お蝶が庇うが、徹斎は聞く気がないようだ。

 「食うても多分、元に戻るど。いや胃で消化されたら俺の胃液と混じって、元ん形ば特定でけんで、復元ができんかもしれんばい。面白そうだけん、いっちょ試してみっばい」

 「キュウ、分かったよ。やるよ。一発芸で良いか?」

 そう言うと、肩をコキコキと鳴らして、両手をユラユラと揺らし始めた。

 「おお! 右手が伸びて行く。替わりに左手が縮んでるぞ!」

 祐介は素直に驚いた。

 「なんか、ぬしゃ本物の河童じゃなかか。昔、八代(やっちろ)で見たことあるばい」

 徹斎は面白くもなさそうだ。

 「つまらん。俺は爬虫類の生殖器ば見たか」

 徹斎が顎をしゃくると、待ってましたとばかりに、牛頭馬頭が左右から取り押さえる。

 「唐突に何言ってくれちゃってんだよ。やめろよ」

 ジタバタと虚しく抵抗するバテレンさん。

 「お前らは下僕レベルじゃ、俺より下じゃねえか」

 一瞬ピクリと動きを止めて、祐介に目をやる牛頭と馬頭。徹斎も縋る様な目で祐介を見つめる。

 「・・・・・・ふっ」

 ニヤリと笑って頷いて見せる。

 「キュケェェェェ」

 尻尾を捻り上げられて、首を締められた鶏の様な悲鳴が響く。

どうもありがとうございました。

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