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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
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知らぬ間に巨大な陰謀の渦に・・・ その2

御免なさい。

書き溜めた在庫が枯渇して来ましたので、投稿のペースが落ちちゃいました。


これに懲りず、どうぞよろしくお願いします。

あ、内容の出来にも懲りずに、どうかよろしくお願いします。

 「ああ、忘れとった。斥候の名目だったばい。ってもう遅かな」

 「そうね。すっかり囲まれましたね」

 お蝶が壁の隙間から周りを伺う。

 祐介やバテレンさん、牛頭馬頭以外は僅かな物音で、敵に囲まれた事を察知したようである。

 「こりゃ不味かな。槍隊に弓隊だけん、ここでは勝ち目が無か」

 「森に飛び込むか」

 外道丸が牛頭馬頭を促す。

 「チッ、仕方ねぇ。やってやるか」

 二匹は粗末な扉を蹴り倒して、正面の敵に突っ込んで行く。その手には長い野太刀では無く、短い手槍が握られている。

 「俺たちも」

 外道丸、徹斎が続いて左右に分かれて、敵が密集する森へ飛び込んで行く。

 「じゃ私は外道丸ね」

 「おコン。私と一緒にダーリンの支援をしましょう」

 祐介は徹斎と同じく、向かって左へ突っ込み、童子組は右で暴れまわる。

 「徹斎は一人で良いだろう。お蝶と、おコンは俺を助けてくれ」

 「勿論、そのつもりよ」


 「隊長、奴ら突っ込んで来ました」

 正面の兵が慌てて叫ぶ。

 「弓隊は?」

 「役に立ちません。もう突っ込まれました」

 「あれは牛頭馬頭だねぇ。瞬生だから厄介だよぉ」

 「右も左も斬り込まれたか」

 ヒゲ隊長も、やや慌てている。

 「クソ、先手を取られた。茂みの中では長槍は不利だ」

 「あらら、右翼も左翼も正面もボロボロだねぇ」

 呑気な、ひろみちゃんである。

 そんな本陣近くまで、もう牛頭馬頭が迫って来ていた。

 本陣が混乱したら、祐介一味が後方へ抜ける事も容易になるだろう。後方は鈴菌衆だし居ないも同然である。

 「どれ」

 ひろみちゃんが、何時の間に出したのか金棒を担いで、のそりと前へ出る。

 「ひろみさん、迂闊に動かないでください」

 そう言うヒゲ隊長へ、凄味のある笑顔を返す。

 ヒゲ隊長の背筋を総毛立せる笑顔であった。

 「お前ら手伝え」

 「要らないよぉ」

 振り向きもせずに言う。その背中が、ふた回りも大きくなった気さえする。

 「仕方ない。お前らは後備を纏めて、敵を逃さんように後方を固めろ。鈴菌衆は居ないのと同じだ。槍隊は短槍に持ち替えさせろ」

 ヒゲ隊長はテキパキと周りの配下達に指示を下す。


 「牛、馬、一旦下がれ」

 珍しく緊迫した声が樹間に響く。これほど緊張した徹斎の声は初めてだろう。

 「消えとう無かなら、そこから下がれ」

 徹斎は、もう一度そう言って、周りの有象無象を威圧しながら、ジリジリと牛頭馬頭の方へ場所を移して行く。

 「ほう、はっつぁんは裏切ったのねぇ」

 「間者たい。気づかん自分ば恨め」

 お互いに、ジリジリと(にじり)り寄る二人。と徹斎を支援する二匹。

 空気がそこだけ冷たく硬い。

 「キェッ」

 徹斎が先に足裏全体で地面を掴んでいた両足を蹴って、短い気合とともに、やや低い位置のひろみちゃんに襲い掛かる。

 パスっと、軽い音を立てて、ひろみちゃんの右腕が地面に落ちる。

 立て続けの連続技で左右から巧みに斬りかかるが、それ以上、ひろみちゃんに深手を追わせることはできない。攻めあぐねているうちに、ひろみちゃんの右腕が復活してしまった。

 「ふん」

 鼻から気合の息を押し出し、金棒が地面に叩きつけられた。そう見えた瞬間には、下から上に徹斎の顎先を掠めるように、金棒が跳ね上がる。

 徹斎が打ち込む隙もないほどに、叩きつけ、跳ね上げる。

 只々、単純に豪快に踏み込んでは、叩きつけ、跳ね上げる。

 徹斎が切り込んでも、刀が枯れ枝のように圧し折られそうな勢いである。

 「外道丸、徹斎が押されてる」

 橋姫の癇走った声が響く。

 「一箇所に固まると囲まれるぞ。互いに囲まれない距離を保て」

 そんなこと出来るはずもないが。

 徹斎には一人で踏ん張って貰うしかない。討伐隊はヒゲ隊長の采配で祐介たちを取り囲もうとしている。

 祐介も短槍に持ち替えた槍隊相手に左右へ素早く動いて、上手く対応している。しかし、数に勝る敵に追い立てられ続けたら、とても勝ち目は無い。

 「弓隊は、互いに距離を取り合って、狙撃に専念しろ。多少の同士討ちは許す。兎に角、押し包め」

 ヒゲ隊長の指示が飛ぶ。

 「クソ、ジリ貧だ」

 “ 敵の裏を取って囲みを突破しても、森から出たら太刀打ちできねぇ ”

 何しろ敵が多過ぎる。

 “仕方ない。一か八か直談判だ ”

 「お蝶、ひろみちゃんの所に行く。おコンと両脇を頼む」

 祐介は戦闘の合間に、素早く指示を出す。

 爪先下がりの腐葉土が積もった足場に、足の裏をへばりつけ、ガニ股に腰を割り、やや下り坂に向かって身を出すようにしながら右前方へ、膝を伸ばさずに、脚力だけで滑るように降りて行く。

 “ バカ徹斎が前にですぎなんだよ。後方に出ても勝機はないだろうに。あっ! あいつ、一人で逃げるつもりだったのか? ”

 何故か怒りよりも笑みが浮かんで来てしまう。

 “いざとなったら徹斎だけでも逃すか ”

 「絶倫どん、あたば構うとる余裕はにゃあ。あんただけでん逃げにゃんたい」

 “ 何だよ。そのわけわからん猫語は ”

どうもありがとうございました。

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