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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
78/133

徳を積み己を高めます その3

御免なさい。

書き溜めた在庫が枯渇しそうなので、今後の更新は間が空いたり一日一回だったりするかもです。


どうぞよろしくお願いします。

 “善行、善行、善行”

 狩をして、飯を食い。干し肉を作り・・・そう言えば、牛頭馬頭はどうなった?

 「親分、この獣人ども、どうするの?」

 祐介とバテレンさんは、彼らの様子を見に行く。

 哀れな格好で、吊るされたままの牛頭と馬頭。

 「うーん、縛りのレパートリーも尽きちゃったし、なんかもう飽きちゃった」

 あれから、何度か形を変えて結び直し、散々楽しんだ挙句の、この発言である。

 「放すと、また襲撃されるかも知れないし、狭間に捨てるか?」

 「おいおい、そりゃ酷いね。あんな所に捨てたら、こいつら何処の異世界に飛ばされるか、分かったもんじゃないぞ」

 「ほうほう。それはそれで、異世界で面白おかしく冒険者をエンジョイできるんじゃね? 都合よく美女に囲まれ、鈍感系を装いながら、ラッキースケベを楽しめるという。こいつらが、そんな世界に行けると思ったら、なんか腹立って来た。俺が狭間に飛び込むか」

 「んな事あるわけないでしょうが。オドロオドロしい化け物ばかりの、トンデモ世界かもだし、物理法則が異なり、エネルギーの質まで違って、お互い激しく反応しあって、消滅してしまうとか」

 「なんだよ、ソレ。全然楽しくないじゃん。行くのやーめた」

 「取り敢えず、ソロソロ下ろしてやる?」

 吊るした当初に比べると、最近は大人しくなったようで、時折、訴えかけて来るような、哀れな眼差しを、こちらに向けて来る。

 「あ! 一つ試してない吊るし方があった。バテレン、手伝え」

 ウキウキと牛頭馬頭を下ろし始める祐介であった。どうせロクな考えではないでしょうけど。

 「下ろしたらだな、このようにSM結びではなく普通に結んで・・・」

 「フンフン、それで?」

 「このように縄で輪っかを作って・・・」

 「フンフン、それで?」

 「こう、枝にかけ・・・」

 「・・・フンフン、それで?」

 「こう、枝の下に置いた椅子の上に立たせたら・・・」

 「おいおい、それは」

 「輪っかを首に掛け・・・」

 「おいおいおいおい、それはダメって」

 「首に掛けたら、椅子を思い切り蹴飛ばせば・・・」

 牛頭がゲフッ、馬頭はゴハッ、と一声だけ呻き声を漏らす。

 「ネックハングかよ。首吊りじゃねぇか。マジで吊るしてどうするよ。おいおい、下ろしてやれよ、痙攣しちゃってるだろ?」

 バテレンさんは、牛頭の体に飛びついて体をよじ登り、枝に掛かった縄を包丁で切ってやった。

 次に、馬頭に飛びついて・・・幾ら背が低くて椅子に乗っても、手が届かないとはいえ、首吊りの足を引っ張るような行為も、ちょっと・・・。

 「ぎゃははは」

 それを見ながら、善行で行くと宣言した祐介が笑い転げている。

 「あんたさぁ、ついさっきも善行を積むって言ってなかったっけ?」

 「だから積んでるだろう?」

 「何処が?」

 「仮にも俺は獄卒同様、一度は潜虫を飲まされた身だ。それに、ここは地獄。脱走獄卒に地獄の責め苦を与える事は善行だ。こいつらは獄卒を脱走したから、今は亡者だろ。だったら優しく接する方が、悪行にならないか?」

 「理屈は通ってそうだけど、親分の理屈は、いちいち歪んでるよな」

 それ以前に、美紗子から逃げ出した祐介も、れっきとした亡者ではなかろうか?

 「細けぇこたぁいいんだよ。要は俺の行為が地獄にとって、有益かどうかが大事なんだ。俺の肛門に宿るナル・ア・ナル神は地獄の神様だ。俺は地獄王になる!」

 「それって、もう居るよ。閻魔大王だろ」

 「あ」

 なんとも情けない限りである。

どうもありがとうございました。

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