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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
77/133

徳を積み己を高めます その2

御免なさい。

書き溜めた在庫が枯渇しそうなので、今後の更新は間が空いたり一日一回だったりするかもです。


どうぞよろしくお願いします。

 祐介は、ここ二、三日ずっと考え込んでいる。

 “善行かぁ。やっぱ、いい事しないとねぇ”

 考え込んでいる。

 “人として生まれたからには、善行を積んで、徳を高めないとなぁ”

 人としての生き方に悩んでいる祐介であった。

 地獄に堕ちて、これからの生き方を考える。これって地獄本来の在り方じゃないですか?

 “徳を高めたら、きっと良い事があるはずだ。善悪は、差し引き勘定で相殺できるものではない、と鬼っ娘も言っていたし、俺が悪行を重ねていたとしても、天国に行けば、悪行とは関係なしに良い事があるはずだ。いや天国が退屈であったとしても来世ではウハウハ・・・”

 来世での人生設計を主に考えている・・・ロクな事は考えていない祐介であった。

 “異議あり! たとえ動機は不純でも善行を積む事は良い事だよね”

 そりゃ、善行って言うくらいだし。

 “だったら、欲が無くて、善い行いもしない人と、欲深だけど善い行いを、いっぱいする人と、どっちが良い人?”

 それは確かに、いっぱい善い事する人の方がマシだとは思うが。

 “でしょ? だったら神プロだって、実績重視の判断を下すんじゃないかな? なぁ?”

 いやいや、そこは精神的な成長が重要なのでは?

 “はぁあぁ? 心が綺麗でも人助けをしない人に、なんの価値があるんですかぁ? 何のために、心清らかにするんですかぁ? 人の役に立たずに、自分だけ良い子ちゃんで、来世ウハウハなんて、間違ってるでしょう。自分だけ清らかなら良いなんて、それこそ我欲ではないですかねぇ”

 ・・・言われてみれば正論・・・なのかなぁ?

 “善行積めば来世はウハウハ。善行積めば来世はウハウハ。俺は今後、この方針で行く”

 祐介は小屋の中で大きく伸びをした。

 「親分、お目覚め?」

 「ああ。バテレンさん、朝食何?」

 「今日は干し肉のスープだ」

 「ふーん、いつも質素だね」

 「ちょっと温め直すから待っててね」

 「はいよ。あとで狩りにでも行くか」

 祐介は、ブレスを眺めて、今日も念じてみる。

 「こちら祐介、こちら祐介、聞こえますか?」

 声に出す必要はないのだが、ついつい電話感覚で声を出してしまう。

 「聞こえますか?」

 お蝶や外道丸たちをイメージして念じるが、次元の狭間が影響しているようで繋がりそうにない。

 「親分、今日もダメか?」

 「ダメだなぁ。いっそ、ここから動くか。狭間から遠ざかれば、影響は無くなるんだろ?」

 「俺はブレスの仕組みまで分からんが、多分、正常に機能するようになると思う。でも動かないが良いぞ。ここを動けば、居場所を探知される。軍や局の手勢が攻めて来るぞ」

 それは困る。

 「うーん、あいつらと合流して美紗子の別荘に戻れば、ひろみちゃんとも和解できると思うんだけどなぁ」

 一人で戻るにも、別荘の場所もわからんし心細くもある。

 「そんなに簡単なのか?」

 「ひたすら謝れば、どうにかなるんじゃね? いくら何でも、ひろみちゃんも、そこまで鬼じゃないだろ」

 「いや、鬼でしょう。いやいや、鬼より格上の鬼神だし」

 「まぁ、そうだけど、そうじゃなくて。つまり、俺って、ひろみちゃんの奥方を寝取って、孕ませちゃっただけじゃん? 誠意を持って謝れば許すでしょ」

 「だけじゃん? って、そんな考えで誠意も、へったくれもないって言うね。まぁ親分はアホだから、仕方ねぇが、世間の常識では、不倫は夫婦間の愛情欠如が問題だから良いんだけど、孕ませたら『だけじゃん』って程軽い罪じゃないよ? 多分」

 「いやいやいや、美紗子が子供を欲しがってて、無理矢理犯されてたのは、俺の方だし」

 「で、そのプレイを心行くまで堪能したと」

 「・・・うん」

 祐介は、起き上がって胡座をかいた。

 小屋の土間で、バテレンさんが鍋に入ったスープを火にかけている。

 「小地獄では、生活用品は自作するしかなかったけど、ここでは鉄鍋とか手に入るのな」

 「まあね。獄卒への官給品が出回るんだよ。古くなった官給品が嫌で、それを捨てて新品を、おねだりするらしい。亡者は拷問受けるのに忙しくて、生活必需品なんて要らないだろ。だから、ちょっと探せば消滅する前の、まだ使える物が落ちているんだよ」

 遺棄された道具が、一定時間を過ぎるとい自然消滅する仕組みは、小地獄と同じらしい。

 「飯を食ったら、生きの良い食材探しに行くか」

 祐介とバテレンさんは、そんな具合に、のんびりと日を送る。

どうもありがとうございました。

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