ここにも、そこにもバカがいる その7
どうぞよろしくお願いします。
「おーい、バテレン。聞こえるか」
木立の中で耳を澄ます。
「居るかぁ。河童ぁ」
返事はない。
「バテレン禿げぇ。エロガッパ。聞こえてたら返事をしろ」
・・・
「誰がエロガッパっだ! 伝説の俺様に向かって、フザケてんじゃねぇぞ」
「やっぱり居たか。臆病なお前のことだから、遠くから様子を見ていたんだろ。ちょっと手伝え」
祐介は指示を出すと、腰のロープを解いて馬頭を縛り始めた。
「お、おい。これが化け物なのか? 牛と馬の妖怪か」
「まぁ人獣の化け物という点では間違ってないな」
「暴れないのか?」
「心臓を貫いているから、暫くは大丈夫だ」
心臓を貫いたままにしておけば、暫くは再生が阻害される。刺しっ放しにしておけば、二、三日で貫いている武器が消えて、強制的に再生させられてしまう。
「これをハメ殺しと言ってな。等レ16で女亡者をハメ殺してハメ捲ろうとしたら、お蝶に滅茶苦茶殺された」
「ひでぇな。クズだな。畜生だな」
「おっと、本物の畜生が言うか」
ん? なら何故に美紗子の別荘で、牛頭馬頭を相手にした外道丸達はハメ殺さなかったんだ?
あ、そうか。奴らは戦闘馬鹿だから、ただ殺し事のみに専念したんだろうな。
なんて軽く納得してるけどそれで良いの?
それはともかく、祐介は、手早く馬頭を縛り上げて行く。
「ほれ、ここをこうして、ちょっと、そっちを持てて・・・その女亡者とは賭けをしていたんだよ。相手が勝ったら、俺が子分になる。俺が勝ったら犯すなり、なんなり好きにしろってね。じゃ変態プレイでも良いか? て聞いたら出来るものならやってみろ。てなわけで瞬殺でハメ殺してハメ捲ろうって時に、お蝶が戻って来やがった。・・・あの後、始めて『ああ、ここは地獄なんだなぁ』って実感したよ」
「・・・」
「なんだよ。なんか言えよ」
「言葉も出ねぇよ。ていうかお前、エグい縛り方知ってるなぁ」
馬頭は両手を後ろに、座禅を組んだような格好で体を折り曲げられて、縦横に縛り上げられている。
「なんじゃら縛りとか言うやつか。俺、初めて見たよ。すげぇなぁ。でも厳つい獣人じゃグロいだけだな」
「へへへ、スゲェだろ。等レ16で会った、銭亀だか銭型だか言う、江戸の役人に教えてもらったんだ。拷問のテクニックだってさ。ハメ殺しもそいつに教わったんだけど、えらくエロい目をしていた良い奴だったなぁ」
雄介の目が昔を懐かしむ遠い目をする。
「ほら出来上がりっと」
馬頭の肩を後ろへ蹴り倒して、胸の刀を抜き取った。
「次は、もっと凄いのを見せてやるよ。だから手伝え」
「へい親分、がってんでぇい」
バテレンさんが嬉しそうに、木に縫い付けられた牛頭に歩み寄る、祐介の後を追い掛ける。
「槍が心臓から抜けないように、木から外すぞ」
「ブヒヒィィン。ブヒヒ、ブヒブヒ」
「豚みたいな声出しやがって。煩い馬だ。猿轡を噛ませてやれ」
「へい親分」
ポケットから取り出した手拭いを受け取ったバテレンさんは、首を振って藻掻く馬頭の背後から、猿轡を噛ませて、渾身の力で思い切り縛り付ける。
「情け容赦ねぇな」
「おうよ。無抵抗だから怖いものなしだ。遠慮なくやらせれもらうぜ」
戻って来たバテレンさんと、牛頭を木から外して、海老反りに縛って行く。
「こうやってだな。足が後頭部に付くくらいに・・・」
「おおお、これまたエグいな・・・」
「更に、この縄を、ここから、こう・・・股間に縄を通して・・・フグリを両側から挟み込むように」
「・・・」
「そしてこう・・・」
「・・・」
「おまけに、こう・・・」
「・・・親分・・・拙者、興奮して来たでござる」
「馬鹿野郎・・・。へ、変な気分になってるんじゃないよ・・・はぁはぁ」
「・・・お互い様だな」
縛り上げ終わると手槍を抜いて、それを、牛頭を縛った縄に通す。
「持って行くぞ」
牛頭にも猿轡を噛ませ終わったバテレンさんに、槍の片方を担がせて、小屋の近くへ運んで行く。
どうもありがとうございました。




