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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
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ここにも、そこにもバカがいる その5

どうぞよろしくお願いします。

 「お前の隠れ家は、まだなのか?」

 「・・・もう少しだ」

 「後どのくらい?」

 「・・・カップラーメンが出来るくらい。か、ご飯が炊けるくらい。か、風呂が沸くくらい。か」

 「ちょっと待て。まさか、お決まりの迷子じゃなかろうな」

 「・・・そんな決まりは知らん」

 「おい!」

 「何だよ。怪しいやつに付けられていないか、確認するためにだな。遠回りを」

 「嘘つけ。目が泳いでるだろう」

 「本当だ。不気味な妖怪が出没してるから・・・」

 バテレンさんは、辺りをキョロキョロしている。何かを確認するような不安気な顔で。

 「確か、こっちから来たから、箸を持つ方に行けば・・・。いや、来る時に箸を持つ方に曲がったから、お椀を持つ方に曲がれば良いのかな?」

 水掻きのある、自分の両手を見比べながら首を傾げてしまった。

 「おいおい、マジかよ。自分のアジトもわからんのか」

 祐介は呆れた顔で項垂れた。

 「ん? この石の印は見覚えがあるなぁ」

 地面に置かれた石が、矢印状に並べられている。

 「あっそうか。迷ったときのために、あちこちに矢印を置いたんだっけ。忘れてたよ」

 照れ隠しなのか、ペチペチとハゲ頭を叩く。

 「テヘペロみたいな顔しても、全然、可愛く無いぞ。方向音痴め」

 祐介はバテレンさんの前に出て、矢印が示す方に歩き出した。

 空は闇に覆われ、辺りもぼんやりと薄暗い。

 しばらく歩くと、小高い丘らしい影が見えて来た。

 丘を覆う森の中、矢印を頼りに進んで行く。

 「お、ここは覚えてる。懐かしの我が家の近所だ」

 「案内、ご苦労」

 『グモォォォォォォン』

 『ブヒィィィィィィン』

 「キャッ」

 取ってつけたような、如何にもな咆哮にバテレンさんは慌てて屈み込む。

 「えっ? なになに?」

 祐介もバテレンさんに習って身を屈める。

 「例の?」

 「うん。例の」

 バテレンさんは、ガタガタと震えている。

 祐介は腰の刀に手をやり身構える。

 「やっぱり、隠れ家はバレてたのかな?」

 「はぁ?」

 「なんか隠れ家の周りで、化け物の気配がするから・・・」

 「逃げてきたのか?」

 「うん」

 「じゃ、なんで戻った?」

 「生活習慣病・・・かな?」

 「メタボみたいに言うな。まったく・・・まったく爬虫類の脳ミソときたら・・・。しようがない。やるぞ」

 「えっ⁉︎」

 祐介は、咆哮が聞こえた方へ歩き出す。

 “まだ距離はあるはずだ。追われる身としては、不安要素を、これ以上増やせない。排除してくれる”

 祐介は、覚悟を決めた。

 『グモッ、グモッ』

 躊躇する事もなくサクサクと近づいて行く。

 流石に等レ16で修羅場を潜って来ただけの事はある。

 「お、おい。俺は頭脳派だから、この辺で待機な? な? それで良いだろ?」

 「うん。足手纏いだし、この辺で捨てるか」

 「キュ? 捨てるって俺の事? ダメだよ? 最後まで飼わないとダメだよ? 責任持って寿命を全うするまで、飼ってあげないと可哀想でしょ?」

 「おい。お前は俺のペットか。まぁ良い。化け物退治が終わったら、ちゃんと拾いに戻って来てやるよ。餌は胡瓜か?」

 「朝採りの新鮮なヤツね」

 祐介は小走りに闇に消えた。

どうもありがとうございました。

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