ここにも、そこにもバカがいる その4
どうぞよろしくお願いします。
「笑っちゃダメです。外道丸、おコンも口を押さえて。ププ」
「そう言う橋姫も我慢するのでしゅ。ププププ」
「徹斎も、大概の馬鹿だが、ひろみちゃん、大馬鹿・・・プププ。グッ」
外道丸は耐えかねて、自分の太腿を思い切り抓っている。
「何だよ。ンポン タンガーって」
「やめて、お腹捩れるからもうやめて」
橋姫は涙を流している。
「マジで勘弁してくださいなのでしゅ。・・・ンポン タンガー」
「おやめ。おコン、バレちゃいますよ。ンポン タンガー」
「お蝶も、なんで語尾に付けるのよ。ンポン タンガーを」
外道丸たち四人は岩陰に隠れて、地べたを這いずるように、悶え苦しんでいた。笑いを堪えるために。
お前らも、大概の馬鹿だろ。
「ヤバャァとや?」
「狭間はヤバイ場所だねぇ。久正君、教えて差し上げて」
「仕方無いですね。地獄の境界がアヤフヤな所を狭間と呼んでおり、いくつかある狭間の一つから一瞬だが、微弱な信号が感じられ・・・」
ヒゲ隊長が、面倒臭気に説明を始めた」
「ほうほう・・・ふむふむ・・・そら、のさんねぇ・・・」
適当に相槌を打つ徹斎は懐手に、こっそりとブレスを握り、外道丸たちに念話を送る。
「つまり、次元の干渉が強く、正確な位置把握も難しい。更に狭間のギリギリに潜伏されると、攻め難い・・・」
「なんと・・・こりゃこりゃ・・・それからどした・・・よよいのよい・・・」
「・・・貴様、馬鹿にしてる?」
難しい話に、すっかり飽きてしまった徹斎の合いの手に、顔を顰めるヒゲ隊長であったが、一通り説明を終える。
「従って、小地獄の外での移動機能は、次元の干渉で、他次元に飛ばされる可能性も高く危険で、特別に結界が張られたエリア以外では、使えないのだ」
「そうなんだよねぇ。だから徒歩での移動になるんだけど、時間の感覚がずれた地獄だし、大して気にはならないんだけどねぇ」
「とは言え、事態は猶予を許しません。今から少しペースを上げます。全隊駆け足!」
しばらくダラダラと歩いていたが、ヒゲ隊長の命令で、総員駆け足になる。
「はっつぁん、西洋仕込みの、映画に出るような掛け声を掛けてくれないかなぁ」
ひろみちゃんが、そう命じた。
「ABCDEFG」
『ABCDEFG』
リズムはキラキラ星である。なんとも変わった掛け声だ。
「かーにがチン子をはーさんだー」
『かーにがチン子をはーさんだー』
ザッザッ。
おい!
「痛いじゃないか、こら離せ」
『痛いじゃないか、こら離せ』
ザッザッザッザッ。
おいおい!
「離してたまるか、よかチン子」
『離してたまるか、よかチン子』
ザッザッザッザッザッザッ。
おいおいおい!
「ABCDEFG」
『ABCDEFG』
「かーにがチン子をはーさんだー」
『かーにがチン子をはーさんだー」
何故か掛け声とともに、整然と足並みが揃って行くのだが、・・・良い加減にしなさい!
その後、愚かな掛け声は、休憩まで延々と繰り返されるのであった。
どうもありがとうございました。




