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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
66/133

毛根に根性さえあれば、いや想像力の問題でしょう その3

評価をつけて下さった方、誠にありがとうございます。

もしご来獄の際には上級信徒としてア・ナル教の名誉信徒とさせて頂きます!


と言うことで、どうぞよろしくお願いします。

 「ふーん? じゃ亡者が一斉に、亡者に都合の良い事を考えたら、地獄は崩壊すんじゃねぇの?」

 「そう思うだろ? でも違うんだなぁ。基本的なところは、神のプログラムって奴で、分かり易く言えば、パソコンのバイオスとかオペレーティングシステムと同じで、我々の行動や運命なんて、OSの許す範囲内でしか自由度がないんだ。だから玉を潰されて抜き取られると、地獄でも再生しない」

 「お前、なんか気持ち悪いくらい偉そうに語ってるけど、本当に妖怪か? 妖怪にしては、賢すぎるんじゃないか?」

 「おうよ。俺は現世では、学者だったからな。ペテン師呼ばわりされてたが」

 「なんだ、宣教師じゃなかったのか」

 「リアルでもバテレンじゃねぇよ! ・・・妖怪じゃねぇし。聞く気あるの?」

 「ある。学者先生」

 「まったく、人が気持ちよく偉そうに話しているのに・・・気を取り直してっと。えへん、人の思考なんて、それこそ、人それぞれだろう。こうあるべきだとか。これは違うとか」

 「まぁな」

 「地獄を形作るにしても、どうしても曖昧な部分が出るわけよ。それが、このように次元の狭間となり、曖昧な場所を作り出してしまう。地獄の淀みのようなものだ」

 「そこへ、行ったらどうなるの?」

 「分からん。魂ごと消滅するのか、存在自体が変質してしまうのか。誰にも分からん。なんせ神のプログラムでさえ、正常に機能しないと言われているからな」

 「怖ぇな」

 「化け物が住んでいるかも知れんしな」

 「お前か! お前だな! 此処に河童の化け物がぁ!」

 「しまいにゃ、殺すぞ」

 ふざける祐介に、ウンザリ顔のバテレンさん。

 「最近な、この辺で野獣の咆哮みたいのが聞こえるんだよ」

 「この辺って、この辺?」

 「この辺は、この辺だ。バカ」

 怯えたように聞き返す祐介を、バテレンさんは憐れむように見ている。

 だって、怖ぇだろ。ヤクザみたいな鬼神とか、牛や馬の生まれ変わりとか、河童の妖怪とか。って、こいつは、それ程怖くも無いか。

 「今も、化け物の気配を感じたので、見回っていたところに、お前が出現して来たってわけだ。見た感じ、愚かな臆病者に見えたので、声を掛けてやったってわけだ」

 「それは、どうもありがとう。で、ぐずぐず言ってないで、さっさと安全な所へ連れて行って、しっかり俺を守れよ」

 「貴様って野郎は・・・。等レ16でも名の通った亡者なんだろ? って言っても殺しても死なない地獄で、力は大して役に立たんけどな」

 確かに、その通りであった。斬っても突いても元に戻る地獄では、腕自慢なんて大した自慢にはならない。それに地獄だけに、亡者たちも暴力の脅しには慣れてもいる。

 「結局は、地獄や天国は現世と違い、力や脅しなどの誤魔化しが効かない、真面目で善き者が報われる世界ってわけだ」

 「俺って、あまり報われないのかな」

 「自覚はあるのか・・・神の意志は絶対だ。改心するんだな」

 「まったく、とんだ異世界転生だな」

 「ああ確かに異世界転生には違いない」

 「て事は、亡者の多くが死んだら中世風のファンタジー感溢れる異世界転生だ。と思い込んだら現世の死者はマジで異世界転生するんじゃね?」

 「・・・ん〜、それが神のプログラムの枠から外れなければありかもな?」

 「どゆこと?」

 「大筋的には生前の悪行に対する罰と、善行に対する褒美が合って生命体の精神向上に役立つのであれば、て所じゃないかな? 細かい規定は運営サイドの理に適うようなら承認される的な」

 「なるほど。要するに神が納得さえすれば大幅な改変も可能と?」

 「あるいは。な」

 「・・・」

 「まあ、実際、幾度かの大規模改変はあったからね。人が知性を高めていった過程と、宗教による価値観の変化とか、民間信仰の迷信などの影響によってな」

 「・・・」

 「あくまでも可能性の話だからな?」

 「・・・」

どうもありがとうございました。

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