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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第一章 地獄転生編
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獄卒も所詮亡者だな その7

どうぞよろしくお願いします。

 わずかに気合いが漏れて、お蝶が牛頭に斬りかかる。ほんの少し時間をズラして、おコンも牛頭に斬りかかった。

 お蝶の初撃は躱したが、おコンの短刀で腹を割かれた筈の牛頭が、少し遅れて何事も無かったように、おコンの背中へ特大の野太刀を振り下ろそうとするが、おコンはそこには居ない。おコンは大きく戦線を離れて、既に体勢を立て直していた。

 お蝶も、距離を取って牛頭馬頭の動きを警戒している。

 お蝶と、おコンによる攻防の間に、徹斎と外道丸が戦う態勢を整えて、牛頭と馬頭にそれぞれ激しく斬りかかって行く。

 徹斎は、わずが数秒の間に何度も牛頭に斬りつけた。流石の不死身の牛頭でも、切り裂かれた直後は攻撃も防御も出来ないので、徹斎に手も足も出ない。

 外道丸も似たような状況で馬面を圧倒して押さえ込んでいる。

 「お前が馬面言うなぁ」

 おっと失礼。でも気を抜いていいんですか?

 戦闘の最中に無駄口を叩いた馬面を、外道丸が無造作に斬り下げた。

 戦い慣れた彼らの戦いは口を開かず、短い気合いと骨肉を断つ音だけが戦場に響く。

 裕介と二人の護衛の相手は、橋姫、お蝶、おコンである。

 何だか懐かしいなぁ。

 “よっしゃ、ここだ。そりゃ”

 俺は敵味方に分かれての真剣勝負にもかかわらず、楽しくてしようが無かった。

 「ん」

 「ふん」

 「頂きぃ」

 六人の短い気合いが、激しい動きに合わせて交錯する。

 流石に二人の護衛は、俺たち等レ16組に比べると弱過ぎるので、俺の邪魔にならないように加勢をしてくれる。

 俺が、お蝶か、橋姫か、おコンを打ち取ると、すかさず捕縛しようと二人の護衛が駆け寄ろうとするが、生き残りの二人に邪魔され捕縛する事ができない。

 俺が打ち取られると再生するまで、二人の護衛が時間を稼ぐ。て言うか、お蝶たちは手加減してくれているような気がする。

 「ちょ、ちょっと、ちょっと。あなた達、仲間なんでしょう。どうして平気で殺し合えるの? 裕介はこちらの言いなりだからわかるけど、あなたたちは異常よ」

 手が飛び、足が飛び、臓物が飛び散り、脳漿をぶちまける凄惨な殺し合いが続く。等レ16での修練では、当たり前の日常的な光景である。

 気分を悪くしたのか、美紗子がしゃがみ込んでしまった。

 死んでは生き返り、また殺し合う俺たちは、戦闘に集中しており、誰も美紗子を相手にしない。

 「無視しないで、なんとか言いなさいよ」

 美紗子は、嫌気がさしたのかそっぽを向いてしまった。

 それを見たお蝶が、おコンに目配せをする。

 おコンが俺に近づいて来た。俺は、おコンに左袈裟を浴びせようと、一歩踏み込み。

 「おにぃたん。寂しかったお」

 “きゃ、きゃわいいぃ〜いぃ〜”

 俺は、おコンの可愛らしさに立ち眩みを覚えた。

 戦闘のためか、巫女装束の胸元が緩んでいる。

 「おコンね。おにぃたんが居なくて、いっぱい泣いちゃったお」

 “もう好きにして”

 俺の動きが完全に止まった。その直後に目の前が真っ暗になって意識がプッツリと飛んでしまった。

 その間に護衛の二人も、橋姫に斬り殺されていた。

 俺の首は、お蝶の小太刀で宙に飛び、それを素早くおコンが受け止め、首に指を突っ込む。胴体側の首には橋姫の指が突っ込まれていた。再生するまでの、わずかな時間で探らないといけない。

 橋姫が無言でみんなに頷いて見せる。そして手にした、真っ二つになっている潜虫の片割れを踏み潰し、思わず橋姫がゾクリと身震いする。

 おコンも半分になっている潜虫を取り出して、一度匂いを嗅ぎ、平気な顔で踏み潰す。

 クンカクンカは癖ですか? 獣時代の癖ですか?

 まだ美紗子は気付いていない。吐き気を我慢しているのか、青い顔をして俯いている。

 お蝶、おコン、橋姫の三人は徹斎と外道丸に駆けつける。

 外道丸が馬面の首を刎ねて、お蝶と、おコンが、素早く首に手を突っ込むが、間に合わず、馬面があっという間に再生してしまう。

 「おコン、もっと素早くよ」

 「分かっているのでしゅ」

 お蝶が焦って、思わず声を掛ける。

 二人の声で俯いていた美紗子が顔を上げてこちらを見ている。

 次も首を見事に同じ箇所から切断し、二人が指を突っ込む。しかし、またも間に合わない。

 「再生が早過ぎるのでしゅ」

 立ち上がった美紗子が、戦闘に加わるかと思ったが、美紗子は横たわっている俺に近づき、俺の体を軽々と担ぎ上げた。

 殺された護衛たちも、再生が完了して体を起こそうとしている。

 その間にも、牛頭馬頭の首を斬っては指を突っ込んで潜虫を探るお蝶たち。

 四度目の試みで、お蝶がようやく馬頭の潜虫をつまみ出して踏み潰す。

 「やったわ。残るは牛頭だけよ」

 牛頭を相手にしていた徹斎も、見事に首を刎ねて見せて、おコンが牛頭の潜虫を素早く駆除した。

 ついでに身を起こしている護衛の元へ走り、首を刎ね、二人の潜虫も難なく駆除しておく。

どうもありがとうございました。

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