表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第一章 地獄転生編
60/133

獄卒も所詮亡者だな その6

どうぞよろしくお願いします。

 お蝶は小太刀を腰に()き、ブレスに念を込めて苦無を装備出来るだけ装備している。

 おコンは、二本の短刀だけのようだ。

 外道丸に橋姫も、いつもの装備で、徹斎は・・・徹斎は怪しげな道具をたんまりと念出している。そんなに、どこに隠せるのか疑問なのだが。

 「はぁ、まるで武芸者とは思えませんよ。本職の忍者も真っ青だわ。目潰しの鉄粉に、手裏剣、(まき)(びし)(つぶて)、他に何を持っているんですか?」

 徹斎の装束は動きやすいように、作務衣(さむえ)に似た法被(はっぴ)()(ばかま)に変わっている。他のみんなは、革鎧ではなく等活地獄を出た時の身軽な服装に戻っていた。

 「我が流派の意義は戦いに勝つ事でな。卑怯者呼ばわりは負け犬の遠吠え。真の(いくさ)を知らぬ者の綺麗事さ。生き残るに手段は選ばん。何でもありさ。さすれば我が流派を恐れて争いもなくなる。力こそ平和だ。現に生前、俺が挑戦者を募ったところ、我が威を恐れて一人も挑戦者が現れなんだ。我が師もそれをいたく喜ばれて、これこそ活人剣だなどと、こそばゆいお言葉も頂いたもんさ。ぬわはははは」

 つまり勝つためには手段を選ばない。それこそ相手に恐怖を与え、抑止力になると言いたいらしい。自慢にしか聞こえないが。ってかこういう時は、日本語で話すのな。

 「さぁ、行きますよ」

 お蝶がブレスを構えて、美紗子の別荘を目的地として念を送る。

 「作戦通り、一点突破たい。何が出ても、俺の指示なしには戦力を()くんなよ」

 徹斎が転移早々、指示を出す。

 「しっかし、厄介な別荘たい。こら砦ばい」

 「まったくだ。ひろみちゃんが攻めあぐねる筈だよ」

 敷地内は転移禁止エリアになっており、移動は自分の足で行わなければならない。

 敷地への進入は簡単に行えたが、本丸まではかなり遠い。敷地のあちこちに小さいが櫓があり、ワラワラと守備兵も群がって来る。

 徹斎と外道丸が先頭になって守備兵を薙ぎ払い、お蝶とおコンが、散らばった敵を素早く始末して行く。が相手も不死身の獄卒たちである。まるでゾンビ映画のように、生き返っては戦線に復帰しやがる。しかし刃に念を込めて斬り込む事で再生や傷の治りを、少しだけ遅らせる事が出来るが、しかし、それでも戦力に圧倒的な差がある。一点突破。一気に駆け抜けるしか方法は無い。

 奴らにも話は付いている。この勢いで行けばなんとかなる筈だ。

 石垣を登り、塀を乗り越え、池を渡って本丸を目指す。

 「ってどこまで広かとか。まるで城じゃなかか」

 徹斎も流石に文句を言い出した。

 「もう少しだ、辛抱しろよ」

 外道丸が厳しく注意する。

 最後の扉をぶち破り、屋敷の前庭へ躍り出た俺たちは、思わず足を止めた。

 「なんで居るとか」

 「おほほほほ、あんたたちが嗅ぎ回っていたことも、次郎丸から良からぬ情報を得ていることも知っているわ」

 美紗子は右手には長巻を持ち、左手を腰に当てて玄関に立ち、得意げにみんなを見下ろしている。

 その周りに二人の護衛が刀を持って立っており、少し離れて牛頭と馬頭が野太刀を持って立っていた。

 「そして、ここを政府の施設に認定してもらったの。今までは私闘という事で牛頭馬頭も手抜きしてたけど、今からは違うわよ」

 牛頭馬頭は、俺たちを見て肩をすくめた。

 「それに私の種馬ちゃんは私の言いなり。さぁ、曲者を打ち取っておしまい」

 俺は(あらが)いようもなく、玄関の奥から姿を表す。

 「愛しのお蝶。寂しかったよぉ〜」

 どうやら、恋愛感情は不忠に当たらないようだ。みんなへの仲間意識も大丈夫らしい。

 「あなた、もう少しの辛抱よ」

 お蝶が、素早く苦無を美紗子に打ち込む。

 俺は咄嗟(とっさ)にそれを叩き落とした。しかし、牛頭馬頭は全く動こうとしない。

 「おかしいわね。重要施設の筈なのに」

 「ははは、こら良かばい。俺たちゃ施設に損害を与えるつもりはなか。確かに侵入者だけん、戦闘は避けられんだろばってん、あんたへの敵意に対しては個人的感情だけん、牛頭馬頭にとっては不忠に当たらんとたい」

 徹斎が面白そうに笑っている。

 「自分自身を政府要人に指定してもらうべきだったな」

 外道丸もそう言いながら、太刀を構えてジリジリと位置取りをしている。

 「牛頭馬頭、不法侵入者を排除しなさい」

 「ここは公共の重要施設である。謹慎中ながら、警備部所属の我らが指揮に任せてもらおう」

 牛頭が意外な事を言い出して、美紗子の顔色が変わった。

 「公共施設の警備は、我ら警備部が行う故に、私兵は撤収していただこう。もし、指示に従えないのであれば、有象無象(うぞうむぞう)も我らが(やいば)(つゆ)といたそう」

 今の馬面はやけに格好良いです。

 「・・・しようも無い。でもこの者たちは私の護衛。今、私は危険にさらされています。高官の女房として護衛の同行は許してもらえるわね」

 キッと眉根を寄せる美紗子。怒った美紗子だが、美しさは(いささ)かも失われない。

 「可也(かなり)

 牛頭が頷く。

 「ん」

どうもありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ