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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第一章 地獄転生編
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獄卒も所詮亡者だな その4

どうぞよろしくお願いします。

 「美紗子って奥方様か?」

 お蝶が頷く。

 「噂には、とても子供を欲しがっているそうだが、局長は有名な女好きだ・・・女だけじゃ無いけど」

 徳右衛門の話に橋姫が苦い顔をする。

 「いつも遊び回っていて、奥方様とは随分とご無沙汰らしいぜ。その欲求不満のせいか、やたらと俺や次郎丸に面倒な事を言って来るんだよなぁ。今回の祐介の事にしてもそうだし。業務の間に私用で抜け出すのも面倒なんだよ。地獄の業務をサボったりしたら潜虫の制裁に合うし」

 話しぶりからして、徳右衛門は美紗子が自分の潜虫のオーナーだとは気付いていないようだ。

 「そぎゃん言うても、亡者は去勢されとるけん。種馬どんに何万年、交尾させても赤子は出来んたい」

 「えっ、ダーリンは果てしなく発射してたわよ」

 「それは誠か!」

 徹斎が立ち上がり、叫ぶように言った。その表情が尋常ではない。

 みんなの間に徹斎の緊張が広がる。

 「いっぱいいっぱい発射してたの。だからおにぃたんは、他の亡者と違う、栗の花のような匂いや、イカ臭い本物の男の匂いがするのでしゅ」

 徹斎は、ドスンと尻餅をついて座り込んだ。

 「大変・・・」

 徹斎がボソリと呟く。

 「大変、羨ましか。おらぁ、まっごつ羨ましかばい!」

 「はいはい。良かったね」

 みんなに軽くあしらわれる徹斎。このおっさんと来た日にゃ。祐介以上のバカ者である。

 「いやいや、それは、本当にマジで大変な事だぞ。お前ら、それを知っていたのか?」

 巻き込まれただけの、第三者であるはずの徳右衛門の方が慌てている。

 「おコンは、ずっと見て来たの〈漆黒に光り輝くその逸物、暴れん坊将軍こと絶倫丸は鬼神のそれを上回り、精を放つこと止むところを知らず、当たるを幸いヤリ尽くす、絶倫王 吉田祐介〉なのでしゅ」

 やはり、おコン。お前が噂を広めた元凶だったんだな。

 「まさにマイダーリンは〈精を放つこと止むところを知らず〉だったわ。まさに壊れた蛇口ね。一日に何回、洗浄した事かしら」

 お蝶がポッと頬を赤らめた。

 「等レ16では、一般常識だな」

 「うん。知らないと恥をかくレベルね」

 童子組までもが事も無げに言う。

 「本当に祐介が有精者だとしたら、えらい事なんだぞ、良いかよく聞け」

 徳右衛門が説明を始める。

 「マジや、そらヤビャァねぇ。ほんなこつやばかばい。そぎゃんこつんなってみ、そらこん地獄もしみゃたい。そん前に(わが)どんで、どぎゃんかせんば、おっどんも、どぎゃんもこぎゃんもいかんばい」

 徳右衛門の話を聞いて、今度は本当に衝撃を受けた徹斎が何かの呪文を(わめ)く。

 「よし徹斎、今の呪文の意味を教えてくれ。最強の聖剣でも召喚するのか?」

 外道丸が期待の目で徹斎を見る。

 そんな訳の分からない皆の中で、理解できた者が一人だけ・・・

 「〈それはヤバイです。とてもヤバイです。そんな事になったら、この地獄も終わりです。その前に我らでどうにかせねば、俺たちも、どうにもこうにもいけない〉と徹斎は言っているのよ」

 「すっげぇ〜、お蝶マジすげぇ。今の呪文が解読出来るのか?」

 お蝶の特殊能力に、外道丸が自分のキャラ設定を忘れるくらい驚いてしまっていた。

 「特殊能力じゃないわよ。私は信長公亡き後、秀吉公に仕え、更に清正公に仕えて肥後熊本へついて行ったの。実は徹斎は古代語や異世界語を話していたのではなく、熊本弁を話していたのよ」

 って、おいおい、徹斎は地元の方言で話していただけだし、幾ら何でも全員それくらいは気づいていたでしょう。

 「ウソだろ? ギャンバッテン国の()(どころ)無い方ではなかったのか?」

 「徹斎が日本語の一種を話していたなんて」

 「驚愕の事実なのでしゅ」

 「ぬしたちゃ。肥後熊本、ギャンバッテン国ばバカにしとっど? 国際問題ぞ?」

 お蝶は不本意ながら、今後、徹斎の通訳として重宝がられる事となった。

どうもありがとうございました。

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