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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第一章 地獄転生編
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地獄でも倫理観は大事だと思うのです その3

どうぞよろしくお願いします。

 平屋の宿舎がズラリと並び、その中の一つに案内される。

 「ここが、お前らの部屋だ」

 部屋は六人部屋で、今まで空き部屋だったらしく、外道丸達以外に住人は居ないようである。

 ただ宿舎の入り口に〈女性専用〉と書かれていたのが気にかかるが。

 「では俺はこれで失礼するよ。代わりに第一連隊の担当者が、色々教えてくれるだろう」

 菅原は、そう言い残して部屋を後にした。

 入れ替わるように第一連隊の教育官の一人が現れ、今日から始まる軍隊生活の説明を一通りしてくれる。

 「以上の事を頭に叩き込んでおけ。今の内容は、この手引書にも書かれているので、よく読んでおくように」

 「あのぉ教官たまぁ。私たち男女相部屋なのでしゅ?」

 「お前たちは、特例として相部屋と聞いている。どうせ去勢されているし、そいつらはゲイだから問題ない」

 そう言う顔は、おコンの可愛らしさに鼻の下がデレっと伸びきっていますよ。

 成る程、それで女性専用なのね。でも外道丸はさて置き、確か橋姫ってバイだったはずでは・・・。

 「しかし、俺は半信半疑だったが否定しないところを見ると、等レ16最強コンビの童子組ゲイ疑惑は本当だったんだな。早速みんなに報告しなくちゃ」

 などと教官鬼は言っているが、外道丸は手渡された手引書をパラパラとめくっていて、ゲイ呼ばわりされていることに気づいていない。

 これで外道丸のゲイの噂は、真実として等レ16以外でも定着しそうである。

 外道丸たちが見ている手引書には、軍隊生活全般の事や、今後の訓練のスケジュールなどが漫画で記載されていた。入隊者はどれだけバカなんだよ。

 その後、みんなは宿舎の設備を案内され、食堂などを見学して部屋へ戻って来た。

 担当官は、まだ居らず教官鬼も外道丸たちに自由時間を与え、どこかへ行ってしまった。

 「やけに静かですね。てっきり古参兵の鬼軍曹から〈ゴーマー パイル〉とか〈ジョーカー〉とかアダ名をつけられ、いびられたりするのかと期待していたのですが」

 「男臭い熱血展開がないのでしゅ」

 お蝶、おコンも少しガッカリしているようだ。

 こいつらは、軍隊に一体何を期待していたのだろうか。

 「どうやら演習でもやっているのでしゅ。遠くで合戦の音が聞こえるの」

 おコンの耳が音のする方に向いて、わずかにピクピクンと動いている。

 「宿舎からは人の気配は僅かにしか感じないのでしゅ」

 「これは逃げ出す好都合だな。頃合いを見て脱走するぞ」

 外道丸の意見に異論もなく、まずは入管で仕入れた情報の分析から始める事にした。


 俺は呼び出しを受けてから随分待たされ、一人寂しく不安に耐えていた。

 「人殺し。し・・し、死人(しびと)。と、盗賊。く、串刺し。(しかばね)。ね、ね、ね・・・」

 「何やってんの?」

 「おわぁ。び、びっくりしたぁ」

 目の前には、いつの間にか見知らぬ男が。いや、なんか見覚えがある男の鬼。

 「あっ、入獄した時、俺の取り合いで次郎丸と喧嘩して負けて、俺を次郎丸に取られた、情けない金ピカ鬼か」

 「お前、俺が恋人を取られたような、人聞きの悪い言い方をするな」

 金ピカ鬼は、顔を赤くして慌てて否定する。

 「そんな事より、一人で何やってたの?」

 「・・・尻取り。暇だったんで、地獄をイメージした言葉で尻取りしてた」

 ちょっとの間、沈黙の時間が流れる。

 「そ、そんな哀れな目で見るなぁ」

 「ま、まぁ人それぞれだしな。さぁ行くとしようか」

 俺は黙って金ピカ鬼の後について外へ出る。

 「今日も金ピカなんだな」

 「おうよ。今日は勝負服だ。なんせ局長の所へ行かないといけないからな」

 いや、それを勝負服にする感性が理解出来ないぞ。

 と心の中でそっと呟く。

 「そうか、なかなかキマってるな・・・」

 「・・・だって局長の喜びそうな服は、こんなのしか思い浮かばないんだよ」

 なるほど、そういう訳か。次郎丸のあの格好も局長の好みに合わせているのか。

 「その割には、局長や秘書は普通の格好だな。おっとアレはアレで痛々しくはあるけどな」

 「自分が滑稽(こっけい)なのは嫌いなんだよ」

 「うっわぁ。やな性格」

 「だろう。おっと無駄話はこれくらいにして」

 金ピカ鬼は、いきなり俺の両耳に棒を突っ込んだ。

 「いてぇぇぇ。何しやがる!」

 俺は喚き散らすが、鼓膜が破れて何も聞こえない。

 金ピカ鬼は俺の手を取って、何やら呪文を唱えているようで、唱え終わると俺たちは、どこかへ転移してしまった。

 目の前にドアが見える。

 金ピカ鬼が、俺の両耳に刺さったままの棒を抜いてくれた。と思ったら今度は指で目潰しを食らう。

 「何しやがんだバカ野郎!」

 何も見えずに、また喚き散らす俺。

 「まぁそう言うな。これで外に出られたんだからよ」

どうもありがとうございました。

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