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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第一章 地獄転生編
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出獄の味は大人の味なのでした その3

どうぞよろしくお願いします。

 四本目からは、完全に遊ばれてしまっていた。蹴り飛ばされ、投げ飛ばされ、卍固めまで決められる始末。

 「いててて。ギブ。参った。ギブアップ」

 「我がタイ捨流の意義は、実戦で勝つことだ。活人剣などと言われているが、要するに生き残った者の勝ち、これに尽きる。なお我が流派の技には学問も含むから、スポーツバカにはならないよ」

 俺たちしか居ないのに、流派の宣伝までされてしまった。

 しかも日本語で。

 なんかすっごくムカつくぞぉ!

 「情けねぇなぁ。一本も取れなかったぞ」

 次郎丸に呆れられるが、それは仕方がないだろう。相手が強すぎるんだから。

 「うん、種馬流も強かったばい。外道丸と同じくらいかな? そりゃ褒めすぎか。外道丸も腕ば上げたてだけん、あやつん方が二枚は上かも知れんね」

 徹斎の話では、俺は構えが良くないらしい。もっと力を抜いて、コンパクトに構えた方が良いとアドバイスを貰った。

 「明日に向けて良か練習になったばい」

 また沈黙の時間が訪れると思いきや、アジトの床に横になった徹斎から、柳生一族の裏話や、武蔵伝など結構面白い話が聞けた。

 意外と話好きのようで、俺たちは徹斎に随分と笑わせてもらった。って言葉は通じたの? はい、このおっさん、自分の都合がよい時だけ、ちゃんとした日本語で話してくれます。


 俺たちがノンビリと雑談を交わしている頃、外道丸たちは試験官と戦っていた。

 相手は一人。まず外道丸が戦い、あっさりと勝ち抜ける。

 「流石は外道丸殿やりますね」

 次は橋姫。これまた楽に勝ち抜けた。

 「お二人には敵いませんね。でも次は、そう簡単には通しませんよ」

 二人の戦いを見ていたお蝶も、おコンも比較的楽に勝つことが出来た。

 「何で? 何でお前らそんなに強いの?」

 試験官はすっかり、ションボリとしてしまっている。

 以前、お蝶と祐介で挑戦した時には、祐介に経験を積ませようと無理な戦いをしたとはいえ、ぼろ負けであった。

 もし、以前のお蝶が戦ったとしても、これほど楽には勝てなかったであろう。お蝶も、おコンも祐介との修練で、かなり腕を上げているのであろう。

 危なげなく全勝した外道丸たちは、いよいよ忠誠の誓いを行う事になった。

 「うっ、緊張で気分が悪くなって来た」

 「私も」

 「私も」

 「私も」

 外道丸に続き、みんなが顔を俯かせて口を押さえる。

 「おうおう。俺様に楽勝で勝つクセに、なに肝の小せえ事を言ってんだよ」

 試験官が呆れて腰に手を当てる。

 「いや、すぅつれいした」

 外道丸が話しにくそうにしている。

 「ん? どうかしたのか?」

 「んん、しょっぱ」

 みんなが口をモゴモゴしながら首を横に振った。

 「なんか様子が変だなぁ。よし、みんな口を開けろ」

 一同がビクリとし、岩塩と鉄片を舌の裏に隠して、恐る恐る口を開く。

 試験官がゴソゴソと小さな瓶を四つ取り出した。中には白っぽい象牙色の何かが、ウニョウニョと(うごめ)いている。

 「・・・んんん・・・んんんっ」

 お蝶も、おコンも、橋姫さえも、その気持ち悪い生き物を見て、涙目になっている。

 「は〜い、あ〜んしててねぇ」

 瓶から一匹の虫を摘まみ出す。

 「今日のは特に活きが良いねぇ。見ろよ、ケツを振って喜んでやがる」

 それは五センチほどの細長いサナダ虫のような、いやサナダ虫よりは丸みがあり、でかいウジ虫、ぶっといミミズみたいな生物が蠢いている。そして口らしき所から粘液まで出しちゃってますよ。

 「じゃ、外道丸君からね。噛んでも無駄だよ」

 無造作に外道丸の口に潜虫を放り込み、顎を閉じさせて、でかい手で口を押さえた。

 流石の外道丸も涙を大量に流して、もがいている。

 「別に口を押さえなくても、一度口に入った虫を取り出すことは出来ないんだよ。すごく頑丈な触手で、へばりつくからね。でも何か、こうしたくなるよね」

 虫は真っ黒で(ちぢ)れた剛毛を、お尻の方から生やし、ウニョウニョと外道丸の喉の奥へ入って行こうと、蠕動(ぜんどう)運動を繰り返す。

 外道丸は苦しくて頬を赤らめ恥じらう様な表情で、岩塩が溶けて、しょっぱくなった鉄臭い唾液を舌でタップリと、その虫に(から)める。

 すると虫の体が膨らみ大きさを増して、その身を硬くする。

 頬を赤く染めて身悶えする外道丸を見て、橋姫も、お蝶も、おコンも口内に溜まった、しょっぱくて鉄臭い生唾を飲み込んだ。

 「お、おい。大丈夫か? ちょっと大き過ぎたかな。苦しいのか? 痛くないか?」

 なぜか試験官までもが、顔を赤くして外道丸に声をかける。

どうもありがとうございました。

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