攻防戦 その4
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
東條閣下は第一軍基地のグラウンドで約一万の兵士を前に演説をしていた。
『軍』と言ってはいるが、規模としては師団に当たる。じゃあなぜ師団ではないかといえば、亡者の確保が難しいので『師団』をなくして『軍』を最大の単位としたのである。なぜ亡者の確保が難しいかといえば、天国へ転生して行く亡者も居るし、募集する兵員に対する条件が厳しいのである。
「この中には、生前に我らと共に戦った者も多く居るが、先ほども言った通り、今回の戦いは国を守る自衛の戦争ではなく、日本の未来を切り開く開拓のための戦いなのである。しかし、対抗する勢力は我らが宿縁とも言える共産主義者どもだ」
言葉を区切りゆっくりと見回す。
兵士の中には共産主義者という単語に目を血走らせ殺気を振りまく者もいればキョトンと間の抜けた顔をしている者もいた。
「中にはピンとこない者もおるだろうが、御維新以降我々の脅威は常にロシアと中国にあり、我ら大和民族を滅ぼす者はロシアと中国と共産主義者なのである」
一同はシンと静まり返っている。
「あの戦争では我らの敵は白人の利益のみ守る植民地支配者どもと強大な力を持つアメリカであった。しかし、最も恐ろしい敵は国を内部から食い散らかす共産主義者どもだ。今の日本を見ろ。国籍すら怪しい、どこの国のために働いているか分からぬ議員や官僚に埋め尽くされているではないか。保守政党のふりをした利権大好きな政権与党。これも本来であれば天誅を下すべき輩の集団である。更に、この死者の国である地獄においても、無責任な大王による不統治主義を受けて、あの戦争で日本に共産主義革命を起こそうとした文麿らが死後の世界を利用して現世を不毛な『共産主義者の楽園』に作り替えようとしている。もっとはっきり言おう。君たちがこれを阻止しなければ近い将来、自由にネットも使えずコミケも開けない、労働のみを求められる社会主義を押し付けられる事になるのだ」
各所からざわめきが起きる。
「貴様らの大切なPCの中身を無遠慮に検閲させたくなければ立ち上がれ!」
『ウォオオオオオオオオオォォォ!』
『奴らに俺らの自由を奪わせるな!』
『そうだそうだ!』
『奴らに俺らのオカズを与えるな!』
『そうだ! 黄色いクマをぶち殺せ!』
『毛を見つけ出して地獄に落とせ!』
『そうだそうだ!』
『毛を毟り取れ!』
毛さんならあちらの地獄で人類が滅ぶまで拷問を受け続けるから探しても無駄なんですがね。なんせ間接的な者も含めると億?の人民をポアしましたからねw
閣下の演説でほぼ全ての兵士が拳を空に突き上げた。ここにア・ナル教団の軍隊が誕生したのであった。
そんなに共産党どもにエロいHDDやSDDの中見を見られたくないものなのかな?
ああ、俺ならあんな奴らにオカズを提供するとか絶対に死んでも嫌だけどな!
「纏まってくれましたね」
閣下と第一軍司令官の早川少将は第一軍の司令部でホッと一息ついていた。
「しかし、なんであの時の欧米諸国は共産主義の脅威に鈍かったのでしょうか」
「簡単な事だよ。一神教は独裁者に寛容だし理想のために生命財産を差し出す事も受け入れやすいのだよ」
「信じられませんな」
「ちょっと前に狂信者集団が教祖の名の下に化学テロをやったでしょう。アレと一緒です。唯一無二の神の名の下に全てが許され全てを差し出す。それが一神教の狂信者です」
「ああ。まんま誤った共産主義思考ですね」
「前にも言ったけど日本には八百万の神様がいらっしゃるので、多様性を受け入れやすく、神様の一柱としてエホバの神もギリシャの神々も受け入れられる。しかし一神教徒は八百万の神々を同列の神として受け入れることは絶対に有り得ない。それどころか我々邪教徒を滅ぼすのになんの痛痒も感じない者さえいる」
「当時の大統領とか白人至上主義者とかにいそうですね。狂信者どもの中には有色人種は猿の仲間だと思っている輩もいますからね」
「彼らの教えでは動物は神様が人間のために好きに利用して良いように作ったから有色人種を奴隷としてどう扱っても良いと本気で信じていた人もいるくらいだ」
「だから我ら邪教徒の有色人種である日本人虐殺計画も正当化されたんですかね?」
「恐ろしい事にそういった者どもこそ一神教の元では信心深く善良な者でもあったりするのだ」
「はぁ。日本は神道と仏教のお陰で救われているのですね」
「しかしアメリカの偉大なところは、多くの人が宗教に縛られながらも人としての正義感を強く持ち、悪を悪と認識し身を正そうと試みる者も多く存在するところだ」
「開拓者魂の良いところでしょうか」
「日本もアメリカも、もっと精神を高め合って共に力を合わせて誤った共産主義を全世界から排除し、世界中の人々を現実的な平和へ導きたいものだよ」
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。