攻防戦 その3
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
〈バシャリ。バシャリ〉
ヒゲが首を垂れたみんなの頭上に御幣を振った。
「ではひろみちゃん。神降しの舞を」
ズイっと進み出るひろみちゃん。
「よしよし準備はいいか? おい 行くぞ〜」
『ライトオブファイヤ〜』
「ファイヤ〜!」
ひろみちゃんがリズムを取りながら両手をパラパラと振り始めた。
『パパ〜パラッパ〜。パパ〜パラッパ〜』
「まんまパラパラじゃねぇかぁ!」
「クソ親父! 神聖な儀式の途中に喚くんじゃねぇよ」
「パパ、どう致しましたか? はじめ君の言う通り、儀式の途中に大声を上げてはなりませんことよ?」
周りを見ると誰もが神妙な面持ちで舞に魅入っている。
『パパパラパラッパ』
ひろみちゃんのパラパラにも熱がこもり始め、顔から笑顔が消えて苦悶の表情に変わり始めた。
裕介の背後から、お蝶がふらりと歩み出てひろみの斜め後ろで踊り始める。おコンも、橋姫も外道丸までもがひろみちゃんの後ろでパラパラを踊り出す。
みんなの額からキラリと汗が飛んだ。
「きったねぇな。ひろみの汗が口に入ったじゃねぇか」
「お黙りなさいな」
腰の入った右フックで地面に叩き伏せられて美紗子に説教を喰らう。
「ご覧なさいな。ひろみちゃんの精気に当てられて女も男も一心不乱に舞を踊ってますのよ。パパも有り余る精気で踊ってらっしゃいな」
裕介は無理やり踊りの中心へ放り込まれた。
「よしよし準備はいいか? おい 行くぞ〜」
『ライトオブファイヤ〜』
「ファイヤ〜!」
裕介がリズムを取りながら両手をパラパラと振り始めた。
『パパ〜パラッパ〜。パパ〜パラッパ〜』
「おおバカ親父にも取り柄があったか」
はじめ君が目を見張っている。はじめ君を抱いた美紗子も感動で涙を流している。
「クソ! こんな所で大昔の宴会ネタが生きるとは」
裕介は違う意味で泣いていた。
「ウヲ〜〜〜。キタキタキタ!」
はじめ君の背中が激しく光出す。
「グギギギギギ!」
歯を食いしばって・・・歯茎を食いしばって何かに耐えるはじめ君。
美紗子が産着を剥ぎ取り、はじめ君を天に突き出す。
その背中が縦長の四角形に光出す。
「おお! お出ましだ。神々との通路が開通し始めたぞ」
バテレンさんが美紗子の白い着物の袖をとって涙ぐんでいる。
「こら徹斎! 貴様は踊るな! それは盆踊りだ。同調が壊れる!」
「貴様は田舎っぺ大将でも踊ってるのでしゅ」
『ひとっつ人よりハゲがある〜、ふたっつふたつもハゲがある。みいっつみーんなにハゲがああ〜る〜』
「あよいっしょ。あこりゃ。そりゃそりゃ」
徹斎はノリノリであった。
「美紗子! 大王を下へ」
美紗子ははじめ君を簡素な事務机の上にうつ伏せにして置いた。
「これから登録の儀を行う」
バテレンさんが厳かに言う。
「みんな精気をいっぱいに込めて!」
美咲が叫ぶ。
寝かせた大王の上、三十センチくらいの空間にスクリーンが浮かび上がった。
「アカウント名:はじめ君
権限:administoretar
パスワード:********」
大王の背中に浮かび上がったキーボードでユーザーアカウントを登録する。っておい!
バテレンさんは大王のケツを指でクリクリとこそぐる。
「ウキャキャキャキャ」
背中を指で叩かれケツを指でこそぐられて、たまらずに大王様は笑い声を上げる。
「よし。登録完了だ。登録完了通知が届いたぞ!」
スクリーンにはアカウント登録完了通知が開かれていた。どうやら送信専用メールらしく返信は受け付けていないらしい。
「ひろみちゃん!」
美紗子が駆け寄り、ドサリと倒れ込んだひろみちゃんを力で抱き上げる。
「ありがとう、ひろみちゃん。無事に管理者権限で登録できたわ。これではじめ君は立派な大王よ」
ああ、何となく分かって来ましたよ。そう言うシステムなのね。
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。