攻防戦 その2
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
「ちょ、ちょっ待てよ。じゃる」
晴明は歩いて去って行くはっとり君を引き止めようとするが、はっとり君は無視して歩き去って行く。
「ドロンとか消えないんだね」
本田がガッカリした表情を見せた。
「で、晴明。どういう事? 敵の一味と内通してる?」
「いや。内通はしてないが、河童には覚えがあるな。じゃる」
晴明は腕組みをして考える。
「多分あれだ。丹波のクソ汚ねえ沼で妖怪退治をしていた時に、偶々(たまたま)河童に出会ったんだ。どうも現世との境界が曖昧な場所があって、京から攫って来た女子・・・妖怪を封印しようと帯を解いている時に、『キョエエ、眼福眼福。あ、こちらにお構いなくどうぞどうぞ』などと言って来たので散々鑑賞されたお代として地獄の七不思議やら、亡者を縛り付ける虫の存在やら、その予防法とか駆除方法とか色々教わったじゃる」
「何と。それはまさに潜虫の事ではないか。貴様は潜虫の予防法まで知っておるのか。更には駆除方法まで」
「まあ。自分自身は虫を飲まされる時に塩を持っていなかったので、情けなくも腐れアカの手下に成り果てましたがね。願わくば資本主義世界でカルトの教祖でもやりたかったですよ。おじゃる」
「それって、まんま裕介じゃん。それよか駆除方法は? 駆除方法を教えて?」
「方法を聞いても自分じゃできないよ?じゃる」
「よし。なら文麿が晴明に命じる。我が潜虫をグガガgdjfkgjdklシエjx」
文麿がいきなり悶え苦しむ。
「だから潜虫の制御で自分からは命じられないの。誰かが自発的に駆除しないと無理なの。じゃる」
「なにニヤけてるの? 勿論やるよねグギギギアsdfghjkl」
更にのたうち回る文麿。
「学習しないね。忖度を促してもダメに決まってるじゃん」
「ハァハァゼィゼィ」
「まあ俺が文麿の上位に付ける環境が整ったら駆除するかもよ? ていうか本田君、君は僕の潜虫をグゲェェェクェッチュイイオオオrd」
「晴明も大概のバカだな」
「では神降しの儀式を始める。ヒゲ、祝詞を上げろ」
「おい。ひろみちゃん。家格は斉藤家が上だからな?」
とか何とか文句を言いながらも、ナンジャラカンジャラと祝詞を上げ始めた。
「ナンジャラカンジャラナンジャラカンジャラナンジャラカンジャラ」
「おい裕介。俺にゃまっぽし『ナンジャラカンジャラ』て聞こえるばってん、主の耳にはなんて聞こえるや?」
「まんま『ナンジャラカンジャラ』だな。おい美紗子。人選失敗か?」
「あれで良いのですわ。要は言霊ですの。祝詞の内容ではなく言葉に乗せた神通力が八百万の神へのご挨拶なのですわ」
こんなふざけた祝詞でも日本の神様は許してくれるらしい。
「ああでも。冗談の通じない神様もいらっしゃるから八百万分の百万くらいの確率でバチが当たりますのよ。オホホホホ」
「『のよ。オホホホホ』じゃねぇよ。ヒゲが可哀想だろ。八十分の一だと万が一があり得るだろ」
「あら。あなたのパパはおバカな小学生並みですわね。それにバチはヒゲじゃ無くて主催者の貴方に当たりますことよ。オホホホホ」
「『ことよオホホホホ』じゃねぇよ。俺にか! 当たるのは俺にか! 百分の一でも当たったらやだよ」
「まあ百分の一と思ってた方が幸せですわね。まあ幾柱のバチが当たるかは分かりせんけれども何本か当たっても死ぬ事は、いや消魂はないと思いますわ」
「ブラックモンブランじゃあるまいし何本当たっても嬉しくねぇぞ!」
「おいバカ親父。それぐらいにしておかないと温厚な神様までバチを飛ばしてくるぞ」
「バカ息子が! 全て貴様のせいじゃねぇか。いっそのこと間引いて川に捨てちゃうぞ?」
「東北の風習じゃあるまいに脳味噌大丈夫かな?」
「お前ら、トウホグでもそんな風習は廃れて久しいぞ」
外道丸がたまらず訂正を入れる。てか訂正にはなっていてもホローにはなっていないぞ外道丸よ。
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。