生命の神秘 その8
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
「これは立派な男児だねぇ。言葉も僕チンよりも一月も早いなんてびっくりだよぉ」
「角もほんのりピンク色で、五本も生えてますよ」
生まれた次の日にオデコや側頭部に小さなコブのような角が顔を出していた。
ひろみちゃんもヒゲ隊長もデレっとした顔で赤子を交互に抱っこしている。今日はお披露目のためにお産部屋から出て、ア・ナル神社の境内でわちゃわちゃと賑やかだ。
「こら。俺を気安く抱っこするんじゃウキャキャキャ」
ヒゲ隊長が否応なく高い高いをする。
「僕チンにもさせてよぉ」
「ウキャキャキャ。だから気安く大王たる俺をウウウギャアアァァァァァァ」
ひろみちゃんは強引にハジメ君を奪い取ると、否応なく上空高くに放り投げた。
「ゥゥウウギャヤヤヤヤ」
赤子が上空から落下して来てひろみちゃんが片手でがっしりとキャッチした。
「貴様ぁぁぁ! 両手で確実にキャッチせんかぁぁぁぁ! エラーしたらどうするよぉぉぉ!」
「片手でしっかりキャッチして素早く送球に繋げるんだよぉ」
「ランナーは出てねぇだろがぁ! あ! ションベンちびっちゃった。ウンコもちょっぴり」
裕介や童子組、お蝶におコンらがゾロゾロと社から出て来た。
「汚ったねぇガキだなぁ。俺の赤ちゃんの頃なんて、排便は大晦日に一回こっきりしかしなかったもんだ」
「嘘こけやぁ!」
「あらあら」
「親子で仲のおよろしい事」
美紗子は空気が読めないらしい。
「ふざけてんじゃねぇぞ。こんな男は俺が誕生するためだけの玉袋じゃねぇか」
「貴様、言うに事欠いて父親になんて口の聞き方だ。よし折檻だな」
裕介は、ひろみちゃんの右手からハジメ君を奪い取っておしめを毟り取った。
「ウゲェ、汚ねぇ。手についちゃったじゃねぇか」
「だから言っただろ。チョッチ漏れちゃった、てよ」
「これがチョッチか? タップリ漏れてんじゃねぇか!」
「へっ。ついでに新しいのに替えとけや」
「その前にこうだ!」
〈ペシン! ペシン! ペシン!〉
「何しやがる! 体罰とか毒親じゃねぇか!」
「理性で善悪のわからん奴は言って聞かせても理解できんだろ。そう言う奴は恐怖や痛みで悪い事を教えてやるんだよ!」
「イテテテテ。貴様割と痛目に叩いてやがるな?」
「これが人を不愉快にさせる代償だ。肉体的にも精神的にも人に痛みを与えたらそれ以上の痛みで報いを受けるんだ」
うーん、これぞ真の子を想う親の心。善悪の理解できない子供を勝手放題に育てたら犯罪者にしかならんからね。
それが並行世界での考え方の一つでもあった。まあ悪事を働いて罰を与えるのは子供の時こそ有効なんだよね。と考える常識人もこちらの世界では多いと言う事です。
「心配するな。虐待になるほどの事はせん。あくまでも愛の鞭だ。子供が可愛いからこそ犯罪者にはしたくないのだよ」
「て言いながら何故ニヤついていやがる!」
「オホホホ。微笑ましい親子の触れ合いですこと」
「あの子には美紗子と裕介の遺伝子が受け継がれとるとだろ?」
「おわたw」
「嫌な言い方はやめてミョン」
徹斎に外道丸、橋姫が溜息を吐く。
「次に父親を舐めた言動をしたら、ひろみちゃんの超絶高い高いフリーフォール地獄をお見舞いさせよう」
「お父様御免なさい。舐めた事は致しません」
ひろみちゃんの方が教育に効果的なようであったとさ。
「御坊ちゃま。こう言うところは初めて?わん」
「何か飲みますか? タバコはどう? でゲス」
「飲まねぇし吸わねぇよ。それよりしっかり奉仕しするのだ」
「はいはい。せっかちなんだから。わん」
「二輪車なんて豪勢なお客様。でゲス」
「ああもう。鬱陶しいから普通におしめを替えろなのだ。昭和平成な風俗ごっこは、俺にはついて行けんのだ」
「へーいでゲス」
出産部屋に戻され下僕に傅かれている将来の大王様であった。
「それにしても裕介の野郎め。俺がまともに行動できるようになったら絶対に復讐してやるのだ」
「今はハイハイもできないでゲスからねぇでゲス」
「わんわんわわん」
「俺が大王として権力を恣に出来るようになったら、貴様らの処遇も考えてやるのだ」
「へへェェ。何卒よしなにでゲス」
「教祖どん。明日の神降しの儀式にはご馳走が出るとだろか?」
「なんかお頭付きに餅やら酒やら出るらしいぞ」
「やっぱ神道は良かな。魚介類も肉類も酒も肴も好き放題だけんな」
「オマケに俺たちの神様も沢山いる御柱の一柱として紛れ込ませるしな」
「一神教じゃこうはいかん。せめて聖人の一人とかだろ。融通も効かんけんな」
「我らの八百万の神は巨人阪神戦であっても別々の神が応援すれば良いから勝ち負けに関係なく矛盾はしないしな」
「一神教だと双方から幾ら敬虔な祈りを捧げられても、どちらにも力は貸せんけんな」
「なので明日はア・ナル神を神格化する上でもハジメ君を大王とするためにも大事な儀式ですのよ」
「僕チンも魂が消える寸前くらいまでは頑張るんだよぉ」
社の中では明日のイベントについての会議が行われていた。
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。