生命の神秘 その1
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
美紗子の腹は、丸々としている。赤ちゃんは順調に育っているらしい。
「鬼児はオスかメスかわかるのか?」
〈ザシュ!〉
美紗子に首を落とされる裕介。
教団本部の居間である。居間にはお蝶やおコン、外道丸等いつものメンバーが、ゴロゴロとニートっていた。
「きっと男の子で御座いますわよ。何と無く分かるものですの」
「へぇ〜。そんなもんか。でいつ生まれるの?」
「一月以内だと思いますわ」
「後少しだな。全然父親の自覚がでねぇや。犯されて作らされた子だしな」
「生まれたらジワジワ愛情も沸きますわよ」
「そういうもんかね」
「外道丸。私も欲しいミョン。あ な た の こ ど も」
「そうだな。信心を深めれば願いが叶うかもな」
「おいおい外道丸。とうとう否定もせんごてなったばいな」
「キョヘ。出来っこないだろう。馬鹿どもが同性で子供ができたら世話ねぇなぁおい」
バテレンさんは半笑いで、そう言い捨てる。
「現世では同性婚とやらも認められて少子化推進に一役も二役も買ってくれてるし人類滅びの道まっしぐらだ」
「大丈夫。現世の科学では近いうちに人工人間を作りますわ。魂の器があれば人類は滅びませんの。これで面倒な女と結婚する必要が無くなるし性別の産み分けも自由自在なので男性にとっては良いことずくめですわね」
「面倒な女の自己紹介乙」
余計なチャチャを入れて睨み合うお蝶と美紗子。
「どこの誰が人工人間なんて作るんだよ」
裕介は呆れ返っているが美沙子は平然と返した。
「人権の認められないお隣のマッドな科学者ですわ」
「ああ。スッゲェ納得。ていうかもう作ってるだろ」
「キョエ。俺も次はお隣に生まれるかな。人のキメラとかめっちゃ興味あるわ。魂のあり方とかどうなるんだろ」
「そら上位種の人間の魂が優先だろたい」
「キョ。作ってみないと分からんだろ」
「既に居るたい。河童に狐、牛や馬のキメラが」
〈バキッ! ボクッ!〉
まあ確かに自然発生的? なキメラは居りますね。
そんなこんなで時は過ぎ、美紗子の出産は日に日に近付いてくる。
ア・ナル神社も外道丸の指揮の元、結構見栄えの良い物が出来上がる。流石に昔の人達だ。大工仕事もお手のも。
「うーん。予想より遥かに立派だな」
裕介もご満悦である。
「キョキョキョ。お前らが馬鹿にする科学文明未発達の人間の方が知恵は多いんだ。お前らの時代では畑も作れん、大工仕事どころか刃物もまともに研げん無能ばかり。知能も下がってるんじゃねぇか?」
「ぐうの音も出んな」
「なろう系では中世世界へ行って現代の知恵で成り上がったりするパターンが多いが、生活の知恵や道具の使い方、限られた食料での料理とか、どう考えても現代人の方が教えを乞う立場だろう」
「確かにな。俺の周りでもサバイバル系と言っても、キャンプ経験者レベルのサバイバル力しかない奴が大半だ」
「魚はもちろん、鳥や猪を普通に捌ける奴が珍しくもなかとが俺たちの時代たい。刃物も自分で研ぐのが当たり前。道も作れば水路も作り橋や城、水車も百姓が作るとたい。全部村の衆の手作りたい」
「・・・」
何も言い返せない裕介であった。
「そんな事より、この子が産まれたら生誕祭をいたしますわよ」
「それはとっても大事な事だよぉ。大王たる資格を確固たるものにするからねぇ」
「ひろみちゃんに執り行ってもらいますわ。結構な精神力を必要としますので、並みの者には出来ませんことよ」
「神降しみたいな者だからねぇ。僕チンでもギリなんだよねぇ」
「そうなの? こんなんで大丈夫なのか?」
と言いながらひろみちゃんを指さし、ゴロゴロ転がっている斉藤衆と鈴菌どもを見回して言った。
「ここに居る鬼を全員供物にしたらどうだ?」
「酷い言われようだねぇ。今時鬼神を贄にする風習は無くなったんだよねぇ」
あったのかよ。そんな風習があったのかよ。まあ地獄だし、あってもいいのかな。
「非科学的で、意味がないと分かってから廃止されましたの。それもバテレンさんの論文が切っ掛けですわ」
「マジこの妖怪は何者なんだ? ていうか地獄に何の学会があるんだよ」
「そのうち多少は話題に登るかもだけれども、きっと詳細が説明されることはありませんわね」
「私たち獣人系、妖怪系の存在は神秘のベールに包まれているのでしゅ」
いや。そういう次元の話では無くですね? この世の仕組み的なですね?
「おいおい。とうとう自分で獣人系とか妖怪系て認めたばいな」
「これも大事なことなんだぞモーン」
「そうそう。新地獄がなろう系転生物なんだから、価値観を固定化するために我々は率先して獣人系、おコンや河童は妖怪系、鬼神は魔人系と認識せねばならんのよヒヒーン」
「ああ、それで喋り方もそれらしくしたのか。面白いから、その調子で頼むよ」
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。