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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第一章 地獄転生編
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ああ勘違い その6

どうぞよろしくお願いします。

 地獄でも生前の習慣は残っているようで、俺は岩陰で定期的に睡眠を取っている。別に体が睡眠を求めているのではなく、きっと心が疲れているのであろう。

 「最近、体が(だる)いよなぁ」

 ここに来て一週間くらいだろうか、何だか気怠くて調子が悪い。

 そんな寝込んでいる俺に、またも例の感覚が襲って来る。

 その感覚とは、まるで極上の毛皮に包まれているような感覚であった。

 俺は、その感覚に包まれている時だけは安心して、ぐっすりと眠る事が出来た。

 たまに顔をケモノに舐められているようなくすぐったさに目を覚ます事もあったが、見回しても辺りには何も居ない。そして眠りから目覚めると、不思議な事に顔や手の血痕だけが綺麗になっているのであった。

 きっと神様が俺を見守ってくれているのだ。

 「柔らかいなぁ。暖かいよぉ」

 俺は夢見心地に柔らかい毛皮を、しっかりと抱きしめると包み込まれるような安らぎに、俺の寝ぼけ(まなこ)から涙が流れた。

 五、六時間経っただろうか。股間のムズ痒さで目が覚めると、俺の手に白銀の細くて柔らかい毛がついている。股間を掻いた時に付着したのだろうか。

 「何て事だ! あまりの心労で、こんなに痩せて白くなっちまったのか。俺の毛! 燃え尽きちまったのか? 立て、立つんだ。立つんだムスコ〜」

 幸いにも白銀の毛は、手に付着した数本だけであったが、俺は涙しながら、風俗界で暴れん坊将軍と畏怖されたムスコの無事を確認した。

 そして、また始まる戦闘の一日。

 「めちゃくちゃ痛ぇよぉ〜。もうイヤだ。誰か助けてぇ。神様助けてぇ〜!!」

 俺は毎日、何度も何度も神様に助けを求めた。心の底から。

 そんなある日。

 なんかケツが痒い。ギョウ虫でも居るのかな。地獄にもギョウ虫って居るのかな。とケツの穴を気にしながら真剣に考え込んでいると。

 《祐介、戦え。助かりたければ戦うのだ》

 その声は突然聞こえて来た。驚いた事に、それはギョウ虫の居るケツの穴から聞こえて来る。

 「肛門から? 幻聴?」

 どうもケツの穴から声が聞こえる気がするので、ズボンをズラし肛門を覗き込もうと限界まで体を折り畳む。

 《戦うんだ。全力で戦え》

 こ、ここ、肛門が喋った!!

 驚愕の事実である。俺のケツの穴は喋れるのだ!!

 肛門様、あんたはスゲェよ!!

 「神様、俺にはこれ以上無理です。もう助けてください」

 俺は慌ててズボンを脱ぎ捨て、足を大きく開き、ケツを天に向けて、股間越しに自分の肛門様に手を合わせ懇願した。俺って意外と体が柔いんだな。などと感心しつつ、涙を流しながら懇願した。

 「俺は、どうしたら良いのでしょうか。どうか御導きください」

 《この試練は、戦って勝つ事だ。立派な戦士として戦い、勝利するのだ》

 肛門様の声が俺を力強く励ましてくれる。

 「何だか力が湧いて来ました。肛門様、否、あなた様は〈ナル・ア・ナル神〉様ですよね。肛門に宿る伝説のナル・ア・ナル神様。ありがとう!」

 「対戦に来たんだけど取り込み中?」

 目の前には下半身裸で、泣きながら肛門様を拝む俺を見て、激しく戸惑う対戦相手が居た。

 「神様、俺、頑張ってみるよ」

 そんな小さな事は気にせずに、ナル・ア・ナル神様に健闘を誓う俺であった。

 俺の本当の戦いは、ここから始まったと言って良いだろう。

 そう、この時こそが俺の新たな伝説の始まりだったのである。

 などとカッコ良いこと言ってる場合じゃねぇ。どこが物見遊山だよ。次郎丸の奴、絶対殺してやる。


 いやいや、言ってる事も格好良くないです。すごく格好悪いんですけど・・・

どうもありがとうございました。

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