人間なんて理想とは程遠い存在という事 その1
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
すっかり建設の終わったシンノスの里の中央広場には裕介はじめ、等レ16組と美紗子、ひろみちゃん、河童、ヒゲが顔を揃えていた。斉藤衆と鈴菌どもは里の外れに退避させられている。特に鈴菌どもは革命戦士どもの執拗な口撃に負け洗脳される恐れがあるので、中央広場への接近は厳に禁じてある。
「いよいよね」
「ワクワクするでしゅ」
「甘く見てはいけません事よ」
「私は初めて見るので楽しみミョン」
「俺はちょっと不気味だな。ウホッ」
「やっぱりやめよう」
「どうしてミョン?」
「何か懸念でも。ウホッ?」
「いや。橋姫の『ミョン』は思いの外、可愛らしいのでいいんだけど外道丸の『ウホッ』は、ちょっと」
「裕介に同意。正直キモい。キョエ」
「だってみんながやれって言うから、俺も仕方なくやってたんだぞ。そんな言い方はないだろう」
「まあそうなんだけど」
「悪いとは思うばってん、やっぱ『ウホッ』はなかなぁ」
「じゃあどうしろと?」
「オタク言葉でしゅ」
「えっ?」
「外道丸、え? じゃないのでしゅ。オタク言葉で喋るのでしゅ」
「オウフ、キタコレ。難しすぎて草」
「それな」
「決まりでしゅ」
そうこうしているうちに、程よく整地された広場へ向かってモコモコと五列の筋が近付いてくる。
じっと見守る裕介達。
それから一時間が経過し
「アアアアアアアアアア、焦ったかぁぁぁぁ」
「徹斎、落ち着くのでしゅ。気持ちは分かるけど落ち着くのでしゅ」
「激しく同意。奴ら遅すぎw」
「外道丸はキャラ変わりすぎたかな?」
「いいと思いますわ」
「コレくらいインパクトがあってもいいミョン」
「本人も嬉しいそうだけん、よかろうもん」
更に一時間。
ようやく革命戦士達が広場の中央付近まで到達した。
ボコリ。ボコボコボコボコリ。
五つの泥だらけの顔が地面から生えて来た。
「やった〜」
「キタ〜〜〜w」
「遅すぎでしゅ」
「武蔵も顔負けの焦らし戦術たい」
「キョエェェ」
パチパチパチパチ。
皆の歓声と共に拍手が戦士達に降り注ぐ。
「もう待ちくたびれましたわよ」
ポカンと口を開けて見上げる戦士達。
「待ちくたびれた?」
「そんな事はどうでもよろしいですわ。自分のなすべき事をなしなさい」
五人の顔がハッとする。
「そうだ! 貴様らはこれから我らに屈服し、世界革命のために我らの手足となって働かなければならない」
「そうだそうだ」
「まずは人権人権と騒ぎ立て、差別だ差別だと喚き散らせば時間を持て余した頭の悪い視聴者は容易に洗脳できる。更には出来もしない男女平等を問題化すれば世界は自ずと少子化へ向かう。我ら全体主義者の独裁体制化においては無理にでも女に子供を産ませる事は容易い事。これこそ敵国の国力を落し、我らの侵略の足がかりと」
同志本田が口火を切って、何かとんでもない事を喚く始めた。
「グウォ! 予想以上に強烈な打撃だな!」
裕介は初撃で膝を着く。
しかし、それはまさに手始めにしかすぎず、彼ら五人の革命戦士の戦端が開かれたのであった。
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。