バカとバカの喧嘩はタチが悪い その8
御免なさい。
書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。
「美紗子ぉ。研究はまだなのか?」
「もう完成の域に近づいてますのよ」
「俺はもう限界だよ。ほぼ一日中チン女相手に寝技の稽古。最初こそお蝶直伝の手練手管、口練口管で張り切って頑張ったけど、良い加減に飽きちまったい」
「そのゲンナリとした表情でお察し致しますわ」
「新鮮なオカズが欲しんだよぉぉ」
「へ。教祖様は良いご身分だぜ。なあトクよ」
「ああジロの言う通りだ。俺たちは日がな一日虫相手に悪戦苦闘だ」
「ジロ。お前は今から語尾に『ワン』と付けろ。徳右衛門は『でゲス』だ」
「い、いや。それはいくら何でも人として酷すぎなんじゃないか? ワン」
「そうですぜ旦那。そんな事を強要されたら俺っち達も人権派の共産寄りになっちまいますでゲス」
「ちゃんと出来てるじゃねぇか」
「それに共産主義は絶対的な独裁体制で力ずくじゃないと実現できないから人権からは宇宙一遠い思想ですのよ」
「そんな事より、今はこいつらに虫は入ってんの?」
「入っていませんわよ」
「ふーん。まあいいか。で、奴らに飲ませる虫はどれ?」
「これですわ」
美紗子は大量に並べられ積み重ねられた瓶のうちの一つを摘み上げた。
「それはチン女に飲ませる奴と同型か?」
「こっちは二四式で、チン女は二三式ですの」
「性能の差は?」
「どちらもほぼ同じですわ。二三式の方は女性専用ですの。共通の特徴は宿主が死に、虫が大気に触れた状態で潰されたら消滅する従来型とは異なり、一旦死んだと見せ掛けて宿主が復活すると同時に、この虫も復活する死んだふり機能ですわね。それと塩と鉄の予防策も効きませんわ」
「えげつないな」
「それだけではなく、コレが寄生している状態で従来型の潜虫を飲ませると、そいつに噛みつき消化液で溶かして養分に換えますの。更に吸収した潜虫のプログラムを読み込んで巧妙に擬態する能力もありますの。更に二三式には口技支援機能も付けてありますわ」
「何それすげぇな。晴明にあてがう前に、俺にも支援機能を試して貰おうかな。しかし、もうこいつを亡者どもに飲ませまくれば、この地獄自体を乗っ取れるんじゃね?」
「そうも行きませんのよ。ほら」
美紗子は瓶を指先でコツコツ突き刺激を与えると、芋虫みたいな形状だった潜虫が体を伸ばしながら勢いよく怒張する。
「敏感ですの」
「うっわ〜。青筋まで立ててイキリまくってんじゃん。こりゃ映像では見せられんな」
「大きさも平均九センチから十四センチにランクアップしてますのよ。簡単には飲み込めませんわ」
「うん。逞しくて大和魂を感じるな」
「外道丸か橋姫ならペロリかもですわね。オホホホホ」
「グヘヘへへへ」
「お前ら、いい加減に自重しろワン」
「ジロで最終テストですわね」
「見学させてもらうわ」
「ごめんなさい。もう飲みたくないワン!」
その頃、革命戦士達は土中を進みやすくなったために、思いの外、早く目的地に近付きつつあった。
まさか奇襲を掛けるはずの自分たちが、罠に掛けられようとしているとも知らずに。しかもあんな、えげつないもの飲まされようとしているとも気付かずに。哀れな戦士達はモコモコと確実に罠に近づいて行くのであった。
どうもありがとうございました。
これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。