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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
実力行使編
113/133

バカとバカの喧嘩はタチが悪い その7

御免なさい。

書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。

 革命戦士どもは時々、土から顔を出して進む方角を確認していた。

 「全体休め」

 土に潜っている同志たちに聞こえるように、本田は大声で怒鳴った。

 本田の左右に二本ずつ、土の盛り上がった筋が四本続いている。本田が掘ってきた筋も合わせると五本の筋が横に並んで裕介たちの隠れ家に進んでいる。器用に木の根や岩などを避けて進んでいるので真っ直ぐにとはいかず、所々で筋同士が交わっている箇所もある。

 その筋の、すぐ近くの梢に佇む徹斎、お蝶、おコンに美紗子。おっと美紗子まで居ましたか。

 「しばし休憩だ」

 ボコリボコリと四つの首が土から生えて来た。

 徹斎達は必死で笑いを堪えている。

 ていうか、はっとり君も徹斎の横で声を出さずに笑ってる?

 「方向は合っているな?」

 「はい。間違えありません!」

 「僕は左右盲だから(たま)に右に()れるんだよ」

 「同志本田! 右に逸れるのは非常にまずいでしょう。逸れるにしても左に逸れてください!」

 「まったく指摘の通りだね。右に逸れたらまた内ゲバで脳天をナタでかち割られそうだ」

 「あははは。生前のホロ苦い思い出ですね」

 「僕が左右盲じゃなければバカ丸派ともうまく行ってたのかもね。アカ虫派は根っからのバカで無能な連中だから気にしなくても良いけど、バカ丸派は我々を目の敵にしているからね。ガハハハ」

 「あははは」

 陽気な笑い声が辺りに響き渡る。

 「それにしても本田同志。私は顎が痛くなってきましたよ」

 「思ったより木の根が蔓延(はびこ)っているから疲れるよね」

 「まるで官憲の犬どものように蔓延ってますな」

 「まったくだ」

 彼らの口は泥だらけだ。どうやら邪魔になる木の根は噛みちぎって進んでいるらしい。うん。こいつら怖い。

 「大分近付いてきたので、みんなも物音には気を付けて静かに行動するように。木の枝とか葉っぱとかカサカサ音を立てないように」

 「了解!」

 「では侵略再開! 潜航前進!」

 森に響き渡る元気な掛け声に合わせて再度地面に潜り、えっちらおっちら、ゆるゆると五つの筋が進んで行く。

 「あいつら大丈夫や?」

 「きっと無事に辿り着くと思うでござる。ニンニン」

 「ならよかばってん。心配たい」

 「応援してあげたいわね」

 「美紗子。あそこら辺から隠れ家までの地面を耕しておきましょうか?」

 「あら良いアイデア」

 「ナイスでしゅ」

 「鈴菌衆が暇そうだけん、つこてやるたい」

 「ああ、あれらはダメだわ。鬼神の落ちこぼれは当てに出来ないわ」

 「その程度でもや。なら仕方なか。忍者はっとりどん、伊賀衆か甲賀衆は使えんかい」

 「うん。今拙者は一人で活動してるからね。奴らも面倒な奴らなので縁を切ったのよ。ニンニン」

 「一つ疑問なのでしゅが、なぜにはっとり君が一緒なのでしゅか?」

 おコンがずっと抱いていた疑問を問う。

 「ああ忍者あるあるたい」

 「そうそう。今回の拙者の任務は諜報担当。戦闘は任務外だし、雇い主は敵同士でも雇われ同士は敵じゃないからね。ニンニン」

 「要するに、現場では同じ伊賀同士、甲賀同士が敵味方に雇われて情報を集めてたりするどが」

 「お互いに効率よく稼ぐために、現場では互いの知りうる情報を交換し合って、雇い主には我らに都合の悪い情報以外を小出しに報告してるのさ。ニンニン」

 「俺もはっとりどんには、ひろみちゃんと渡を付けるのにも世話になったけん、今回は恩返しに此処に招待したとたい。晴明には、よかごて報告してくるっど」

 「俺は潜虫も飲まされてないからね。あくまでも雇われ。分かりやすく言えば派遣従業員みたいなものさ。ニンニン」

 「その煩わしいニンニンは、やめたら?」

 「お蝶姐さん。それは出来ません。これを無くしたら誰が喋っているか一々説明しなくちゃならないでしょう。おコンの『でしゅ』、徹斎殿の『ギャンバッテン』と同じですよ。ニンニン」

 「身も蓋もないわね。私も何か特徴をつけようかしら。ですのよ」

 「美紗子が特徴を付けてくれるのなら、私はこのままの方が良いわね」

 「橋姫がいますことよ」

 「橋姫には、カマ語でも話させれば良いわ」

 「語尾に『にょん』とか『みょん』とか『ウホッ』とかどうでしゅ?」

 「なんか毛蟹の変態ホモ男っぽくて橋姫向きじゃなさそうね」

 「『みょん』は、可愛く発声すればよろしいのではありませんこと?」

 「流石は美紗子ね。もう板についているわ」

 「恐るべしです」

 「て言うか、どうでもよか話したい」

 「そうですわね。耕作は斎藤衆にお任せですわ」

 「では俺も報告に戻るわ。ニンニン。どうせ二週間くらいは、こんな感じだよね。また見学に来るよ。ニンニン」

 「おう。ならまたあとでな。それと言葉遣いは元に戻さなんばい」

 「了解でござるよ。ニンニン」

どうもありがとうございました。

これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。

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