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死んだらみんな地獄へ転生  作者: 一無
第二章 野望編
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女の責め苦はえげつない その2

御免なさい。

書き溜めた在庫が枯渇し新規に書き起こしておりますので自己検閲が甘くなり、内容が益々酷くなる恐れがあります。不愉快ない思いをさせてしまうかも知れませんが今更と思ってご辛抱をよろしくお願いします。

 カチャカチャ、グチャグチャ。

 ライトの中で、白く蠢く潜虫が解体されていく。

 口はあるが、消化器官らしきものはない。

 切り開かれた胴体から、薄黄色の器官が取り出される。

 「ふう、まあまあの大きさね」

 白衣を着た美紗子が、取り出した器官を持って培養漕へ移す。

 「次郎丸、後片付け」

 「はい」

 白い繋ぎの作業着を着た次郎丸が、解体されてなお蠢く潜虫をバケツへ移し、作業台の上を綺麗に片づける。

 使用された器具を洗い、ウエスで拭いて棚に直す。

 「おーい、美紗子。ご飯だってさ」

 研究室のドアが開けられ、顔だけ出した祐介が声を掛けた。

 「パパ。今日の拷問はどうだった?」

 「美紗子ん。もう俺、耐えられないよ。あいつら酷いんだよぉ。助けておくれよぉ」

 祐介は研究室の中に入り、次郎丸が処分しようとしていたバケツの中を覗いて顔を顰めた。

 「気持ちわりぃ、こんなんで新種の潜虫なんてできるのか?」

 「ふっ、私は、この道の第一人者よ。地獄でも知らないものがないくらいの学者なんだから」

 「意外だね。亡者狩りが専門だと思ってたよ」

 「伯父様に禁止されなければ、そっちを専門にしたかったわね。あの消魂の瞬間ときたら、まさにエクスタシー」

 ごくりと唾飲む美紗子が妖艶に笑う。

 伯父様とは閻魔大王のことである。

 「次郎丸、お前これ食ってみ」

 「祐介、いやご主人様、勘弁してください。あなた様の命令には逆らえないので、本当に食う羽目になるので、冗談でもそういったことは言わないで欲しいです」

 「えっ? 半分以上は本気だよ?」

 「いやいやいや、これを食え、はないでしょう」

 次郎丸は、慌てて解体された潜虫を焼却用のゴミ箱へ、ぶち込んだ。今開発中の潜虫は環境に優しいかは知らんが再生可能潜虫だ。唯一の駆除方法は償却処分。しかし美紗子は亡者と同じく、焼却さえできない完全なる潜虫を作りたいらしい。

 「パパ、次郎丸には新種の潜虫の実験台になってもらうから、活きの良い奴を踊り食いしてもらうのよ。その時はパパも呼ぶから楽しみにしててね」

 なんと可愛いウィンクであろうか。祐介の鼻の下が、だらしなく伸びた。

 「わかったよ。楽しみにしてるね」

 妊娠してからの美紗子は、攻撃的な性格が鳴りを潜め? て、女性っぽさが増し仕草の一つ一つが可愛らしい。

 「ちょ、ちょっと奥方様、どうかご勘弁ください。そういうのは徳右衛門で試してください」

 次郎丸の顔色が変わる。

 美紗子は次郎丸を無視して白衣を脱ぐと、手を丹念に洗い、電気を消して祐介とともに研究室を後にした。

 慌てて、次郎丸もその後を追う。

 徳右衛門だけがぐったりと、その場に残される。いったい何をされたと言うのであろうか。

 「ちゃんと鍵をかけるのよ」

 「はい、奥方様」

 力なく徳右衛門は答える。


 食堂には、既にみんな揃っており、おコンが待ち遠しそうに箸を咥えている。

 「ぬしたちゃ遅かぞ」

 テーブルには既に料理が並べられ、次郎丸が部屋の隅っこに歩き、神妙な顔で立た。

 「奥方も精がでますな」

 外道丸が、本当に感心しているように言った。

 「まぁ、これも仕事だから仕方がないのよ。楽しくもあるけど」

 徳右衛門が次郎丸を押し退けて、そそくさと近寄り美紗子のために椅子を引く。

 「ジロ、何度言えばわかる? 俺の椅子はどうした? 俺の椅子を引くのが遅いんだよ!」

 裕介が理不尽に次郎丸叱責する。

 「ご主人様、申し訳ありません」

 「まったく出来の悪い下僕だな。美紗子、新種の潜虫を飲ませたら、こいつらも少しはマシになるのか?」

 「元が元だからねぇ。どうだか分からないわね」

 「お、今日は馬刺しもあるのか。いただきまーす」

 テーブルにはサラダにスープ、豚の生姜焼きに野菜炒め、ご飯に馬刺し、狭間酒造で作られた銘酒『鬼殺し』が並んでいる。

 「俺のリクエストたい。久しぶりに食いとうなったとたい」

 撤斎は嬉しそうに、生姜醤油で馬刺しを一切れ口に運び『鬼殺し』を口に含む。

 「ウマかなぁ、馬だけに」

 「一度死ねば?」

 撤斎のつまらない駄洒落に、お蝶が厳しく突っ込む。

 「何回も死んどるたい。明日は馬のレバ刺しも食いたかなぁ。ごま油とたっぷりの塩に針生姜。ああ、たまらんばい。馬頭、生肝ば献上せれ」

 撤斎は、全く意に介していない。

 「本当にムカつく親父だよな」

 馬頭が徹斎を睨む。

 「でもさぁ、何で地獄でも労働が義務なんだ? 労働なんて生きている間だけでいいだろう」

 祐介は、素朴な疑問を口にした。

 「パパたら、おバカさんねぇ」

 「年増が」

 美紗子の甘ったるい声に、イラついたお蝶の一言。

 「ふん。まるで、行かず後家の小姑ね」

 「何ですってぇ~」

 お蝶が、いきり立つ。

 「ま、まぁまぁ。二人とも」

 二人の間に座る俺は慌てて、なだめに掛かった。

 「労働は社会奉仕、鬼神でも社会奉仕をして徳を積まないと次のステージに登れないのよ」

 どうやら神様の作ったプログラムらしい。善行をしてレベルアップを行いカンストしたら、鬼神の上位種に進化するらしい。鬼神の上って何なのだろうか。気になるので今度聞いてみよう。

 「ふーん。まぁ底辺の俺には、どうでもいいことだな」

 「あら、地獄に来るくらいだから、それほど底辺でもないわよ」

 「そんなもんかね」

どうもありがとうございました。

これからも引き続き、ひっそりと活動を続けたいと思っていますが投稿も休み休みになる事があるかも知れません。それでもどうか今後ともよろしくお願いします。

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