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童話転生  作者: スクール H
白雪姫
6/14

6物語はまた始まる・・・話

白雪姫


この物語はいろいろなパターンがあるが、一番有名なのは絵本版。


ある所に、一人の可愛らしい王女の白雪姫とその義母の王妃がいた。

王妃が真実を鏡にこの世一番美しいのは誰かと聞くと、鏡は白雪姫と答える。

怒った王妃は、白雪姫を殺すように命じるが、哀れんだ家来(狩人とも)が逃しす。

そうとは知らない王妃は、ある日また、鏡に尋ねると同じことを言う。

白雪姫が生きていることと知った、王妃は老女に化け、白雪姫の所に向かう。

そのころ白雪姫は、森の中で七人の小人と出会い一緒に暮らしていました。

小人がいない時、王妃は毒りんごを白雪姫に渡し、食べさせた。

食べたことによって、意識を失った白雪姫。

死んだと思った小人は、白雪姫をガラスの棺の中に入れます。

ちょうど通りかかった王子がキスをしたことで、生き返り、二人は結ばれる。

                           めでたしめでたし


ちゃんとしたグリム童話だと、後二回殺されかけていたり、喉に引っかかったりんごが棺の揺れによって喉から出たり・・・。王妃は最後、熱々の鉄のサンダルをはかせ踊らせたり。

とにかく色々なパターンがあり、正しいと言われているものはない。


 それにしても、今回は誰への転生なのだろうか?

 前回は王子だが、今回も王子か?

 それとも小人か? 狩人か?


深い深い眠りから覚めていく。

今回も前回同様に、揺れる感覚、鳥のさえずり、人の声が聞こえてくる。

馬車の中にいるのはわかっている。

まさか、毒りんごにやられた、白雪姫を現代医療知識で救うとか?

ま、そんなわけないか。


「・・・。・・王!。」

誰かの声がする。

「王!王よ!」

目を開けると、前回とは違う、ほっそりとした人がいた。

こちらも白いシャツに、黒いタキシードを羽織っている執事だ。

「王。どうされたんですか?」

・・・・はぁーーー!!!お、王様だと!

い、いつでてくるんだ?

白雪姫の父親か?

馬車の窓を見る。

そこに写っていたのは、金髪の髪の毛にひげ。整った顔の40代の男で、赤いローブを羽織っており、頭には金色の王冠。

 今度は王様転生とは・・・


前回のように、頭にこれまでのことが流れる。

たまたま出会った女性と結婚、その人が「白雪」で・・・

・・・ちょ、ちょまて〜〜〜!!!

つまり、この体の王は、物語上で、白雪姫と出会ったあの王子か。

・・・・・・物語終わってるんですけど!!!

ど、どういうことだ?

お〜い神。お〜い。

 返事なし。

まあ、記憶をもう一度思い出すか。

この体の王は、今まで海外で外交をしていて、7年間、国に帰っていなかった。

そのため、久しぶりの帰国となる。

さらに、王には娘が一人いる。

白雪姫と結婚する前の妻との間の子だ。

白雪姫と結婚をするという理由で離婚した。

・・・最低だぞ、この王は。


とまぁ〜、これが王の記憶か。

だが話は終わってるぞ!

どうここから展開されていくんだ?

ずっと考えていた・・・。


「・・・王!着きましたよ。」

執事が言う。

流れるように、久しぶり?の城に着き、部屋に向かう。

部屋に入る前、誰かが後ろを通り過ぎようとしていた。

振り返ると王妃の白雪姫だった。

その美しさは変わらず、長く光る、金髪の髪をなびかせながら歩いていた。

「・・・お帰りなさい。」

そう言って立ち去って行ってしまった。

 この夫婦の関係は冷え切ってしまっているのだろうか?

まあ、俺には関係ない。


広々として豪華な寝室に入る俺。

そのまま、ベットに倒れ、考える。

 どうなっているんだ? 答えがわからん。

ふと壁を見ると、そこには手紙のようななものが貼ってあった。

記憶を遡ると、結婚式の日に、白雪姫の父親から受け取ったものだとわかった。


『 過去は繰り返されれ、君は自分の過ちを知るだろう。 』

    

それだけしか書かれていなかった。

 どういう意味だ? なにかヒントになるのか?

しばらく考えた。


ー 娘に会いたい。


王の魂が言う。

 おい、親ばか・・・てほどでもないか。


俺は部屋を出て近くにいた兵士に聞く。

「娘はどこだ?」

威厳たっぷりの声。

「そ、その〜、7年前に、す、姿をお消しになられまして・・・。」

思わず天を見上げてしまった。



 城の一角

広々とした部屋には、大きな鏡があった。

そこに向かって、一人の女性が話しかけていた。

「あの人が帰ってきた。で、でも、バレやしない。私が食べたのだから、魂はないはず。」

一人つぶやく。

「そ、そうだ、久しぶりにあの質問をしよう。」

一呼吸置き、鏡を見て言う。

「鏡よ鏡。この世で一番美しいのは誰だ?」


ー それは、この国の王女『白雪』であります。


自分の名と同じ名前を言われ、顔を真っ赤にして憤る。

が、すぐに行動に移した。

黒いフードを被り、一人闇に消えていった・・・。


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