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⑼『小説執筆狂』

⑼『小説執筆狂』



何を執筆しているんだい、そう問われたら、確かに言うことはあるにはあるが、それが正しいことかどうかは、分からない。倫理や道徳に基づいているかも、分からないが、それでも、俺が書くのは、小説執筆狂という、小説である。



喉が、少しずつ良くなって来たら、俺はしばらく、小説を封印するだろう。何事も、健康には勝てまい。自然なる流浪の中で、より良き健康の改善を見たら、やはり俺は、小説執筆狂から、離脱するだろうから、と言う規定文句は、俺には実存し得ないのである。



何、簡単なことさ、と神は笑うだろう。喉をいたわってやれ、と言うだろう。そうなんだ、まさにそのことなんだ、と思い始めると、この小説執筆狂と言う小説の記録も、何かの誰かの役に立てば、それにこしたことはないのだと、呟くんだ。

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