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⑴『小説執筆狂』
⑴『小説執筆狂』
㈠
何処から始めれば良い、自問自答の始まりである。幼い頃か、まだ文字も読めなかった頃、俺はまだ、小説執筆狂ではなかったと、思いたい。しかし、とにかく、言葉は家の中核に有った。脳内を、言葉が渦巻いていた様に、思うのである。
㈡
畢竟、小説執筆狂になるのには、然程、無理はなかったと思われる。何が言いたい訳でもない、ただ、俺は、運命的に、小説執筆狂になるさだめだったのだろう、そんな事実である。ただの、小説執筆ならまだ良いとしよう。しかし、ここに、狂い、の文字がある。
㈢
独善的に、物事を進めれば、簡単に、小説家にはなれたかもしれない。しかし、俺にも、俺の生活がある。だから、何もかも捨てて、小説家になることは出来ない。だから、小説家ではないのに、小説を書くという、矛盾した存在、小説執筆狂なのである、俺の場合は。




