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キラキラファイブ自己紹介

「今日は皆さんについてお話を聞きたいです」

いつもの様に集まったキラキラファイブに言ってみた。

今まで若人五人組としか認識していなかった彼らの解像度を上げようというキャンペーンだ。これから旅に出るわけだし、個性や得手不得手など知っておいたほうがいいだろう。

気楽に話せるように、中庭にあるガゼボに移動することにした。


円になって座り、私の手には手帳とペン。

見回すと彼らは、何となく緊張している様子だった。

あ、もしかしてこれ何かの面接だと思ってる?

「祈り巡りの旅でも一緒なんですよね?これからもお世話になるので色々お話を聞きたいなと思って。あまり気にせず気軽に話してもらえるとありがたいです」

「かしこまりました」

「もっと適当な言葉で喋ってもらっても大丈夫なんだけど、そうもいかない感じ?」

「慣れておりませんので」

「オッケーオッケー。なんでもいいです。私は崩して喋らせてもらうね」


申し訳ないが改めて自己紹介してもらった。

家名や所属、諸々難しいところまではメモしきれないのでとにかく呼び方だけわかるように最低限名前をメモ。

一周してやっと皆の名前がわかったところでフリートークだ。

なんかこの感じ、懐かしい。学校のグループワークみたい。


まずは隣りに座っているアレックスから。

アレックスはテーマカラー赤の青年だ。

服装は制服でないので各自まちまちなんだけど、アレックスは毎日差し色が赤。他のメンバーも紫、青、黄、緑と一人一色決まっているようなのだ。戦隊システムなのかな。


「アレックスは赤が好きなの?」

「そういう訳では。過去の騎士が、聖女様に覚えていただけるよう印象的な色を用いたことから慣例になっております」

そうなんだ。色で印象付ける作戦て訳か。何色が人気色なんだろ。青と赤かな。偉い順に好きな色選べるのかな。


「じゃあ皆も特別その色が好きってわけじゃないんだ」

「そうですね」

反対隣のニコラスが笑う。

ニコラスは紫カラーの青年で、一番落ち着いていてエレガントな感じ。長い髪を後ろで括っている。

多分ファイブの中では一番年長。


「皆は元々仲がいいの?」

「俺とアレックスは騎士団で一緒だった。同期だから初期研修をくぐり抜けた仲だ。配属は別だが」

そう言ったのは青のギルバート。

この子は皆より少し口調や所作が荒っぽくて、勝手に親近感を持っている。

そっか、赤のアレックスと青のギルバートは騎士団で同期なんだ。


「僕とパーシヴァルは従兄弟ですので、幼少期から面識があります」

ニコラスが言った。

パーシヴァルはふわふわした髪質の、優しそうな男の子だ。テーマカラーは黄色。グレージュやブラウンのジャケットに黄色いネクタイやシャツを合わせていて、いつも可愛い。

紫のニコラスと黄色のパーシヴァルが従兄弟ね。うんうん。


「僕は一年前に王都に来たばかりで、皆様ともそこからのお付き合いです」

そう言ったのは緑のリアム。

五人の中で一番体が大きくて、顔は素朴な感じ。

普段のエスコートも頑張ってやってくれてる感が強くて、よしよししたくなる大型犬っぽい男の子だ。


「それまではどこに住んでたの?」

「領地におりました。領地の境界が黒の森に接しているので、魔物の出現数が多い所なのです。父母や兄と魔物を狩っておりました」

「お母さんも魔物狩りしてるんだ」

「そうです。攻撃魔法が使える者は総動員です。僕はあまり得意ではないのですが」

そう言って笑うリアムくんは、攻撃魔法より剣とか斧とか振り回してそうなイメージ。いや実際は知らないけど。


何となく、みんな色と個性が合ってる気がする。

これなら何とかなりそう。

赤のアレックス、紫のニコラス、青のギルバート、黄色のパーシヴァル、緑のリアム。

うんうん、いけるいける。

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