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魔力の無い聖女と、魔力の強い騎士の婚姻。

魔素過多中毒の知識の無い聖女が、中毒症状を酷いつわりと思って我慢、身体に負担がかかる。

聖女の子を何人でも欲しい騎士、度重なる妊娠出産。

聖女の寿命が縮む。


ってな感じの嫌な連鎖なのではなかろうか。

ひえー。怖い話。

最近でも六十年近く前の話だから確かめることは出来ないけれど、聖女が短命な理由に行き着いたんじゃないか。


幸い、今話を聞いていた三人はピンときていない様子。

そりゃあ聖女短命問題について知らないし、聖女に子どもが多い話も聞いてないから、私がなぜお産に興味持ったか分からないよね。

ニコラスやギルバートに聞かれていたら多分理解されちゃってた。


このまま気付かずにいてほしい。

私が結婚と出産を避けたいと思っていると知られて、逃走防止に対策を取られると困る。

ひとまず祈り巡りの旅が終わるまでは結婚は無いから、その間に次打つ手を考える必要がある。

旅の終わりがタイムリミットだ。


あ、でもブレントさんにははっきり言ってしまってた。

困ったな。

三人に、魔素過多中毒の話は内緒で、とお願いしておく。効力があるか知らないけど。



お昼を挟んで、次は黒の森について。

アレックスもパーシヴァルも知識は持っていても、リアムから聞く魔物の被害や領地の生活の話は生生しく、感じることも多いようだった。


「魔物を減らすには、陽脈の乱れを減らせばいいんでしょ?それって聖女の祈り以外の方法は無いの」

聞いてみたけど、無いらしい。

地震に例えると、地盤プレートに溜まるエネルギーを何とかする方法が無いのと一緒か。


「祠の地下には聖女しか入れないの?」

地下でのビリビリ、あれって聖女じゃなくても誰でも手を突っ込めば出来るような気がするんだけど。

地下への階段に結界が張ってあるとか聖女しか通れないような仕掛けがあるのかな。


誰でも入れるなら聖女召喚なんてせずに、近くに住む人の持ち回りでビリビリを年一回くらいしたらいいのでは。

祈り巡りの旅の大仰な馬車や護衛も必要なくなって予算も浮くしいいことづくめじゃない?

マメにビリビリしとけば所要時間も短くて済みそうだし。


アレックスによると、今まで祠の中は祭祀と聖女の騎士と聖女のみ、祠の地下は聖女のみ入ると決められていたため、入れないのか試した人はいないだろうとのこと。

そりゃそっか。

私以外が地下の鏡に手を入れられるか、実験してみたいな。

でも長年受け継がれたタブーを破ることになるから、普通に言っても反対されそう。要検討。


祠で何かする以外の解決法としては、国から森周辺の治安維持に予算か人手を回すことだけど、こっちはどうかな。

アレックスとリアムに聴いてみたけど難しそう。

そもそも予算て各貴族とか派閥とかの利権やらなんやらでガチガチになってそうだもんね。

それを動かそうと思うと、聖女の威光くらいではダメってことか。


実現可能な範囲でまず動くとすると、やっぱり祠の地下に誰か連れて行ってみたい。

時期をみてファイブに提案してみよう。

後は旅の後、私が結婚しなければ自由に動けるので、もう一度全ての祠を巡ってもいい。

予算が貰えないだろうから、身分保障とお金の問題があるな。

リアムが私と結婚して黒の森近くの祠に祈りを捧げてほしいと望んだのが、割と現実的な案で笑えてしまう。

十六歳の男の子と結婚ということと、出産と魔素過多中毒が付いてこなければこの案採用の可能性あったな。

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