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三つ目の祠

「今日は朝から気合い入れ行きます!」


早朝の集合時間。

まだ眠いけど、声を張って言った。


昨日はあの後、残ってくれたアレックス、パーシヴァル、リアムと一緒に申請の通った魔法便で全国の祠に手紙を送りまくった。

後は厨房チーフにお願いして、遠征中好きな時に食べられるように小さめのパンを用意してもらった。

さっきエリンさんに見せてもらったのはコーンパン、枝豆パン、チーズパンと、クッキーとフィナンシェ、チョコレート。

ウッキウキだ。移動中におやつ休憩取れるじゃん。

祠の中が飲食禁止かどうかはわからなかったけれど、私の儀式中に祭祀さんとファイブが休めるように持ち運びできるテーブルセット一式も用意してもらった。

ピクニック気分ですよ。

はぁ、またおじさんだらけのパーティーがあると思うと憂鬱だけど。

少なくともお腹ペコペコで苦しむことはないと言い聞かせる。


そして朝一の気合い入れ。

私は気付いたのだ。

こないだは私が地下に行く前に円陣組んだけど、気合い必要だったの私だけだったよねって。

円陣の後、ファイブはずっと祠の中で待ってるだけだった訳で。

だったら馬車の出発前に、これから一日頑張ろう的な円陣をしたほうが良かったなって思ったのだ。

だから馬車に乗る前、ファイブと私で円を作った。

片手を全員で重ねる。


「今日は三つ目の祠です。油断せずに行きましょう。頑張っていきまっ、」

「「「「「「しょーい!」」」」」」


ファイブも慣れたようで、少し大きい声を出してくれた。

いい感じ。





三つ目の祠のビリビリは、割とあっさり終わった。

今回短いなと思って戻ったら、一時間も経過していなかったのだ。びっくり。

せっかくテーブルセットを用意したし、見込まれている時間より巻いてるから、こっそり祭祀さんとティーパーティーを開催することにした。

すぐに出て行ってもおじさんだらけのパーティーが待っているだけだしね。


ここの祭祀さんは、学校の先生を定年まで務めてから祠を守る仕事についたという。

普段は祠の手入れだけでなく、児童施設の園長をしているそうだ。

身寄りのない子どもの生活の面倒を見て、読み書き計算を教えているとのこと。責任の重い仕事だ。

祠の近くに児童施設があり、祭祀が管理人となることはよくあるという。

児童施設は国の助成金も出るが、主な収入は領主や地元名士からの寄付金らしい。

施設の予算については領主の考え方によって大分差があるという。


ここの領主様は割としっかり予算を組んでくれて助かるという話を聞いた。ふむふむ。

ならこれから会うおじさんはその点ではいい人ってことね。セクハラに関しては知らないけどね!


子どもたちの話や地域の話、領主様の話、魔物の被害についてなど一時間ほどヒアリングできた。

領主や貴族からの話よりも領民の生活に即した話が聞けるので、今聞いたことも何か生かせるといいな。

てかこないだの祭祀さんの時もお話聞けばよかった。もったいなかった。


これからは私が地下にいる間、祭祀さんから話を聞いておいてほしいとファイブにお願いした。

次回から役割分担して、ヒアリングを青紫組、地下の扉近くでの待機を信号機組とした。


ニコラスなら聞いた話を内政に生かすルートがありそうだし、ギルバートは筆記が早いから書記をしてもらう。

私の待機は何かあった時に医療面で助けてくれるパーシヴァルと、武力で助けてくれるアレックスとリアムという訳だ。


和やかにお話していて名残惜しいけれどそろそろ時間だ。

はー、パーティーやだなぁ。

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