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旅順変更

「すっごい人数」


資料を手に戻ってきたアレックスとニコラスによると、今回の旅の同行者は百五十名程だという。

ニコラスの言った数よりは少ないけど、結構な民族大移動だな。

聖女、聖女の騎士、侍女、メイド、第一騎士団で構成されるとのこと。

騎士団は護衛だけでなく馬の管理、野営の設営、行き先の街や領主との打ち合わせ、必要物資等の運搬と調達等とめちゃくちゃ広範囲にお仕事があるらしい。大変だ。

騎士団は男性のみで構成され、パーティーメンバーの中の女性は私と侍女、メイドだけだという。侍女とメイドは私の世話のために随行し、騎士の生活面のサポートは行わない。なるほど。


こんな大所帯が移動するから、余計時間がかかるんだろうな。

「多すぎて準備も移動も大変じゃない?何なら私達だけで全国行脚する?」

言ってみたけど即座に却下された。

六人でなら、宿に泊まったり領主の屋敷に泊まらせてもらったりして行けるかなぁと思ったけど、流石にそういう訳にはいかないらしい。

サイモンさんの話で、馬車を見に人が詰めかけるってあったし、馬車の通る前に道を確認したり交通整理したりとかもあるんだろうな。

ホント対応が天皇陛下なんだけど。


聖女召喚の儀式は三年前から準備してたって話だし、この旅も何年も前から計画されてたんだろうな。

その順番変えてもらうだけでも大変で、きっと貴族委員会通ったら担当の人がめちゃくちゃ忙しく計画練り直してくれるんだろうな。

お手数おかけして申し訳ない。

なら旅の中身についてはこちらからごちゃごちゃ言わないほうがいいね。

これ以上余計な仕事増やしたら大変だし。


なら私ができること、他にあるかな。

先に御札の増産はしておくとして、他には。




数日後、貴族委員会で祈り巡りの旅の祠の訪問順序が変更になったと連絡があった。

よかった!

治癒協会会長さん、ニコラスのお父さん、騎士団総長さんありがとうございます!

ファイブとハイタッチした。

リアムは両手を強く握って、ブンブン握手してありがとうって言ってくれた。


これから急いで旅程の調整をして、二週間後正式に出発となるとのこと。

王都から魔物被害の多いラインを辿って北上、黒の森周辺の祠にお祈りし、そこから街道を辿って全国を巡る。

出発までの間に、日帰りで行ける範囲の祠をいくつか回ることになっている。

一つ目が三日後。

御札は当然準備万端、ルートや警備の調整はファイブとブレントさん達がしてくれている。

侍女は二人付いてきてくれるそう。


「ニコラス、協力してくれた四人にお礼を送りたいから手配してほしい」

「かしこまりました」

「無難なものでいいんだけど、何なら失礼じゃないのかな?お菓子とか?」

「聖女様からのお礼でしたら何を贈っても喜び大切にされるかと思いますが、手ずから摘まれた花などいかがでしょうか」

花ね、確かに花束って贈り物としてはポピュラーだ。

消えものだし丁度いいかも。

毒殺の警戒とかありそうだし、貴族に食べ物を送るのはちょっと駄目だったかもしれない。

菓子折くらいの気持ちだったけど、そんな習慣なさそう。

本当は手書きでお礼状つけるとポイントアップなんだけど、この世界の字を書けないんだよな。


「お礼状をつけたいんだけど、ありがとうございました、みたいな一言だけでもいいかな?」

「十分かと思います」

「なら見本が欲しいから書いて」

ニコラスがそこらの紙にサラサラっと書いてくれた。

召喚特典で意味はわかるけど、見慣れない字。

これは難しい。

ニコラスは上手に書いてくれたけど、曲線や払い、止め跳ね等の一つ一つが、本人の癖なのか、字として必須の要素なのかがわからないのだ。


「ねーねーみんな、ニコラスの下に同じこと書いてくれる?」

ファイブ全員に並べて書いてもらった。

ニコラスは少し線が細く、流麗な字。

アレックスは直線的で筆圧の強い字。

ギルバートは割と斜めに、早く書いたような字。

パーシヴァルは小さめに揃って角張った字。

リアムは大きくて多分あんまり上手じゃない、男の子っぽい字だった。

並べると性格が出て面白いね。

よしよし、これを見比べながら練習しよう。


「あと、明日サイモンさんに会えないかな?できたらアポ取ってくれると有り難い」

そう頼むと、行ってきます!と元気よくリアムが部屋を出ていった。

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