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「もしかしたら、騎士団の団長なら話を聞いてもらえるかもしれません」

アレックスが言った。

「ああ、第三騎士団長なら実務の数字で納得するかもな。実際魔物倒してるから仕事が減るならって支持も貰えるだろう」

とギルバート。

「第三騎士団っていうのは魔物と戦う部隊なの?」

「第一は王族と聖女様の警護、第二は王都の警護、第三は他領や街道に派遣されます。魔物だけでなく組織犯罪や盗賊なども狩ります」

アレックスが教えてくれた。

「第三騎士団長は伯爵で委員会のメンバーではないけど、そっから総長や第一第二に話を持ってって貰えれば、委員会メンバーやその知り合いに繋がるんじゃないか。騎士団総長は委員会員だ」

とギルバートが言った。

「それいいじゃん!騎士団長さんとお話させてもらいたい!」

アレックスとギルバートにハイタッチ。ちょっと目の前開けたんじゃない?


「やっぱり委員会のメンバー、一人ずつ潰せたらいけんじゃない?多数決?多数決なら過半数潰せたらいいじゃん」

「多数決では無く、話し合いで全会一致が必要です。ですが主導的な高位貴族の意向を読んで動向を変えるのが一般的なので、鍵となる何名かを動かせればいいと思います」

ニコラスが言った。


「実家の伝手で、治癒協会会長さんとお話ができるかもしれません。魔物の被害に合われた方を治療するのは全国の治癒院ですから、被害に合われる方を減らすことができるなら、一票頂けるかもしれません」

「やったパーシヴァル!」

こちらもハイタッチ。


「うちの父は委員会員なのですが、保守派で厳格なのです。ですが昔からの聖女様ファンなので、もし聖女様が直接お話頂けるなら、可能性があるかもしれません」

とニコラス。

「会う会う!私が動いて何とかなりそうなら何でもやるから言って!」

めちゃめちゃいい感じじゃん!


「私の父も委員ですが、父の意見を変えることは難しいと思います」

アレックスは申し訳なさそうに言った。

「大丈夫大丈夫、いけるとこからいこ!」

アレックスに意識的に笑いかける。私のワガママ発端なんだから気にしないでほしい。


「リアムには黒の森近辺の領地三つ分、情報を取り寄せてほしい。魔物の出現数と被害について騎士団に報告義務のない魔物も含めてできるだけ。それも見てもらって、どれだけ大変なのかわかってもらおう」

「ありがとうございます!」

リアムの背中にブンブン尻尾が振られる幻覚が見えた。


「サイモンさん、もう少しお付き合いいただけるなら、騎士団長や協会会長向けのプレゼン準備をお手伝い頂けると有難いんですが…」

「勿論です。喜んでお手伝いしましょう」

「ありがとうございます!」

すごいすごい。何かできそうな気がする。


「とりあえずできるだけ早い日程で騎士団長、治癒協会会長、ニコラスのお父さんに会えるアポをお願い!」

ってあれ?私ここから出れないから、呼びつけるしかないの?結構高飛車じゃないそれ。


「聖女様から面会の要請となると、他貴族に何を勘ぐられるかわかりませんね。この邸の出入りは多方面から見られていますし、私が今日お邪魔するだけでも探りが入りましたから」

とサイモンさん。祭祀が出入りするだけでぐちゃぐちゃ言われるの?面倒くさっ。


「とりあえず、第一騎士団長は下にいるから連れてきたらいいんじゃないか」

とギルバートが言った。

「えっ団長がいるの?」

「この屋敷の警護代表は第一騎士団長だ。朝挨拶したからいると思う」

めちゃめちゃすぐ会えるじゃん。善は急げ。

「ならギルバート、ここに呼んできてもらえる?」

ギルバートはアレックスと一緒に部屋を出た。

私は資料の広がった机上を整理し、エリンさんに団長さん用のお茶をお願いした。


「失礼します」

少しして、アレックスとギルバートに連れられてやって来たのは、以前会ったイケオジだった。

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