第8話 ルーダの街③
しばらく更新出来なくてすいません。
仕事でバタバタしており更新出来てませんでした。
また更新していきますのでよろしくお願いします┏○ペコッ
余りにも大きな声で耳鳴りがする。
目の前にいる女の子は赤毛で黒目、肩までの髪をしており、綺麗な顔立ちをしている。
その顔からは似つかわしくない程の大声が響き渡っていた。
レントは彼女の事を知っている。
彼女の名前はヒヨリ=ノルデン。
ヒヨリは魔物に襲われて滅んでしまったレントの故郷ミール村の生き残りだ。
村の生き残りの人達はクルス村を作り生活するか、ルーダの街に移住して暮らしていた。
ヒヨリは後者の方に当てはまる。
魔物に村を襲われてから一時的にクルス村で過ごしていたが、ヒヨリの両親はルーダの街に親戚が居た為移住したのであった。
ルーダの街に移住してからは商人の仕事をしていた為、度々クルス村には訪れており幼なじみであったレントとは顔をよく合わせていたのであった。
「レント、なんでこっちに来たのに会いに来ないのよ!」
「いや、昨日着いた所だし」
「そもそも今日来たのはギルドに来るためだから」
「そんな事はどうでもいいの!」
「次からはすぐ会いに来なさいよね!」
「分かった、分かったよ」
「それでヒヨリはどうしてギルドに来たんだ?」
「違うんだから!」
「別にレントが街に来たことを聞いて探してた訳じゃないんだからね!」
あー街に来た事を知って探しに来てくれたのかぁ。
ヒヨリは昔から変わらないな。
ヒヨリはミール村で過ごしていた時からツンデレだった。
「レントは冒険者になるの?」
「まだ登録出来ないけど15歳になったら登録するよ」
「登録する時は絶対私にも教えてよね!」
「えっ、ヒヨリも冒険者になるの?」
「レントがなるなら私もなるわよ」
「当たり前でしょ!」
「一緒に頑張りましょっ!」
何故当たり前なのか全く分からないがここで否定してしまうと一悶着起きてしまう。
レントに残されたのは受容しかなかった。
「あ、あぁそうだね」
「まだ先の話だからね」
「絶対よ!」
「約束だからね!!」
「じゃあ私は叔父さんの所で仕事の手伝いがあるから帰るわ」
「またね、レント」
ヒヨリは嵐のように現れて一方的な会話をして去っていった。
「一体何をしに来たんだ?」
「大好きなレントに会いたかったんだろ?」
「それはないだろ?」
「昔からヒヨリには無理矢理遊ばされたりして身体はボロボロだったし」
「それが愛情表現なんだろ?」
「もしそうなら先が思いやられるよ」
「今もなんかとんでもない約束させられたし」
「はっはっはっ」
「いいじゃないか」
「若いんだから色々経験していけばいい」
「シンお前もいずれな」
「そんな人いないよ」
「そんな事よりとりあえず弓をもっと上手くならないと」
「帰りは荷物もないし森の方から帰るか」
「魔物とも戦えるだろうしな」
「経験を積もうか」
「早く行こ」
「道具屋で必要な物揃えてからな」
「村に必要な物と一緒に買っておこう」
「街だったらポーションも売ってるのかな?」
「街なら大体の道具屋で売ってるぞ」
「クルス村には傷薬しかないからな」
「たまにヒヨリのとこが売りに来てくれるが足りてないがな」
クルス村には薬師の婆さんがいるが薬草を使った傷薬や毒消し程度であり、それ以上のものが必要なら村に来る商人から仕入れるかルーダの街に行かなければならなかった。
「これからも必要になるだろうし買いたいなぁ」
「とりあえず俺がよく行ってた所があるしそこに行くか」
そう行ってドルグは歩き出す。
その道具屋は大通りに面していたためすぐに見つける事が出来た。
レントは先に駆け出して道具屋へ声をかけた。
「すいません、ポーション・・・・・・」
その道具屋には赤毛で黒目の女の子が立っていたのだ。
ドルグさんの方を見るとうっすらとニヤついている。
「いらっしゃいませー」
「ポーションですね、それならこれとこれをまとめて銀貨一枚の所をレントは特別に銅貨一枚でどう?」
道具屋にいたのはヒヨリだった。
すぐにレントのことに気付き、進んで接客してくれている。
すぐにポーションが欲しい事を理解して他のものを付けた上に無茶苦茶な割引でレントに売ろうとしている。
「そんなんで売っていいわけないだろ」
「叔父さんに怒られるぞ」
「でもレントに安くするのは当たり前でしょ」
「レントも初めて買うのに値段の相場もわからなかったらこれから苦労してしまうことになるぞ」
「レントのことを考えるなら正規の値段で売った方がいいんじゃないか」
「俺もとりあえず普通に買いたいな」
「レントがそう言うならいいわよ」
「それでポーションだけを買いに来たの?」
「ポーションにも種類があるけど」
「そうなの?」
「体力を回復するポーション、状態異常を回復するポーション、魔力を回復するポーション、大方この三つね」
「あとはそれぞれの効果が違うって所かしら」
「簡単に言ったら高くなるほど効果は良いと考えていいわ」
「あくまでも優良なお店での話だけどね」
「普通の物なら体力回復と状態異常は銅貨二枚、魔力回復は銅貨四枚って所よ」
通常に営業している店も多いがいわゆるボッタクリの店もあるのだ。
値段も高いし質が落ちるなんて事もある。
それを見極めるためにも相場は知っておかなければならない。
「ここに置いてる物の値段はほとんど相場と同じって所よ」
「あとポーションは透明度が大事ね」
「濁りがあったり、不純物があると効果が下がる事が多いわ」
「そうなのか」
「色々教えてくれてありがとう」
「ヒヨリは頼りになるね」
「そ、そんなんじゃないわよ」
「レントの今後の為なんだからね」
「じゃあ体力回復と状態異常回復のポーションを買おうかな」
「その他はお金も足りないしまた今度にするよ」
「じゃあ銅貨四枚ね」
「また買いに来てよねっ」
「あとは村に買っていくものだけだな」
「それはもう選んであるから大丈夫だ」
「支払いだけだから外で待っといてくれ」
ドルグを残し外に出る。
「いい買い物をしたな」
「これでまた森で鍛えられる」
「俺も行くからな」
「もっと弓の威力と距離を上げれるようにしたい」
「レントとパーティを組むからもっと後衛として成長しないとダメだからな」
「え!?シンも冒険者になるの??」
「当たり前だろ」
「レントが冒険者になるなら俺もなるに決まってるだろ」
「ヒヨリといいシンといい勝手に決めて」
「いいだろ」
「皆で冒険者やろうぜ」
「まぁでも頼りにしてる」
「シンと一緒ならなんとかなる気がするよ」
「ヒヨリの事も含めて」
「はっはっはっ」
「確かにヒヨリを1人で相手すると身体が持たないな」
「楽しそうだな」
「会話が弾んでる所悪いがもう終わったから村に帰るぞ」
「予定通り森の方から行こうか」
レント達はルーダの街での用事を終えてクルス村へ向かって行った。
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