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第6話 ルーダの街

休みの日には更新出来るように頑張ります┏○ペコッ

まだ日が昇るかどうかという早朝、村の入口にはレントの姿があった。

街に行く事は聞いていたが時間を確認していなかったため朝起きたらすぐ村の入口に来ていた。


「ふぁぁあ」

「流石に眠いなぁ」

「時間を聞いてなかった俺が悪いんだけど」


眠気眼で確認不足だったことを後悔する。


「そうだ、ドルグさんのとこに行けばいいか」

「ここで待ってても仕方ないしな」


ドルグの家へ歩き出すレント。

道中でナークと出会う。

ナークは昨日街へ行く事を教えてくれた近距離組にいた大人だ。


「おぅ、レント」

「こんな早くにどうしたんだ」


「ナークさん、おはようございます」

「今日街に行くって言ってたから早く起きて村の入口で待ってたんだけどドルグさんいないし、どうしようかと思ってて」

「待ってるよりドルグさんの家に行ったらいいかって向かってた所です」


「はっはっはっ」

「そらまだいねぇーよな」

「ドルグさんは今頃村の倉庫で売りに行く素材を整理してる所だろうな」


「そうなんですか」


「まぁちょうどいい」

「今から俺も一緒に素材整理に行くところだ」

「お前も一緒に来て手伝え」


「うん」

「ナークさんにここで会えて良かった」

「ドルグさんの家に行って無駄足になる所だったよ」


二人は村の中心部にある倉庫へ向かう。

倉庫では素材を仕分けている姿が二つあった。


「おはようございます」


「おぉ、ナークか」

「レントも来たのか」


「さっきちょうどレントと出会いましてね」

「一緒に連れてきたんですよ」


「そうか」

「有難いがもう仕分けも終わるとこだ」

「今日はシンも手伝って貰ったからな」


「なんだレントも来たのか」

「もっと早く来てくれたら良かったのに」


まだ眠そうな様子でシンが倉庫から出てきた。


「シンがこんなに朝早く活動してるなんて珍しいな」


「父さんに起こされたしな」

「俺も一緒に行くから起きないとダメだろ」


「今回は四人だが俺とナークで大きい素材は持っていく」

「シンとレントは小さい物だけ持って行ってもらう」

「今回は少し時間がかかるが街道を行く予定だ」


「他にも道があるの?」


「森にもルーダの街に行く道があるんだがな」

「森を通る分魔物に遭遇する可能性が高い」

「街道も絶対安全じゃないが森の道を行くよりは遥かに安全だ」


「そうなんだ」

「どんな素材を持っていけばいいの?」


「レントとシンは骨の短い部分と牙くらいだな」

「俺とナークで毛皮と長い骨の部分を持っていく」

「素材はもう仕分けてるが準備はいいか?」


「大丈夫だよ」


「元々そのまま行くつもりで来たんで俺も大丈夫です」


「よし、じゃあナークはこれをレントとシンはこれを分けて持って行ってくれ」


小さい骨と牙といっても昨日倒したボアのものである。

それなりの大きさであり十歳のレント達では身体の半分程度の大きさであった。


「結構重いな」

「まぁでもあれを見たらそうも言ってられないか」


ドルグとナークは背中に荷物を背負っている。

毛皮は丸めており、長い部分の骨は縦に数本ずつ背負っている。

ドルグ達の背丈を越える長さであった。

もちろんその分重量もある訳だが二人は顔色も変えずに背負っている。


「よし、行こうか」


ドルグは三人に声を掛けて村の入口へ歩みを進め、ルーダの街へと出発していった。


道中は特に魔物と出くわすこともなく進む事が出来ていた。

ドルグとナークは街まで行く事は度々あったがレント達は今日のような長距離を歩いた事はない。

明らかに疲れが見えていた。


「そろそろ半分くらい来たし休憩にするか」


「やっと休憩だぁー」

「それよりまだ半分くらいなの?!」


「森の方から行ってたらもう着く頃だろうけどな」


「魔物に会わないためだし贅沢は言ってられないね」


「そういえばレントは魔石は持ってきてるか」

「あれは換金すればそれなりの額になるぞ」


「えっ、えーと魔石はね、えーっと」

「今は持ってないんだ」


「それだと魔石は売れないぞ」

「街じゃないと買い取ってくれないからな」


「いや、んーまぁいいか」

「魔石は使ったんだよ」


「使った?」

「どうやって使うんだ?」


「スキルに使ったんだ」

「ちょっと前に使えるようになったスキルがあって、魔石を使う事で魔物の力を一部使えるようになるんだ」


「そんなスキル聞いた事ないが凄いスキルじゃないか」


「でも思ってるより体力使ったりするから実践で使うにはまだまだだけどね」


「今はボアの力が使えるのか?」

「これからの為に把握しておきたいからみせてくれないか?」


「分かった」

「今日はまだ使ってないから大丈夫だよ」


「制限があるのか?」


「んーこれっていうのはまだ分からないんだけど体力が無くなるとダメみたいなんだ」

「とりあえずやってみるよ」


休憩していた街道の周りには木々が生い茂っていた。

街道脇に向きスキルを使用する。


「モンスタートラーゲン・ボア」


身体に光を吸収する。


「じゃあやるよ」

「突進」


ボアの姿のような気を纏い、木に突き進む。


ドゴォォォッ


バキバキッ


「あれ?!」


昨日スキルを使用した時は木が削れるように凹んだだけであった。

それだけでも凄まじい威力なのだが、目の前ではスキルを使用した部分の木が削り取られそこに留まることが出来ずに倒木してしまっている。


「なんか昨日試した時よりも凄いことになってるな」


トラーゲンを解除し、振り向くとシン以外の二人は口を開けて唖然としていた。

数秒後意識を取り戻しドルグはレントに話しかける。


「あ、いやー、これは凄いな」

「まさかお前の歳でここまでのスキル使用が出来るとは思ってなくてな」

「これは鍛えればもっと強くなれるぞ」


「父さんはスキルの事聞いてから見るのは初めてだもんね」

「俺も最初に見た時はびっくりしたよ」

「その時はゴブリンのスキルだったけど格段に強くなるからね」


「多分今日はまだ一回目だからだと思うんだけど」

「まだそんなに疲れてないし」

「ボアのスキルは威力はあるけど多分そんなに沢山使えないと思う」


「色々な能力を使えるようになるんならお前は冒険者には向いてるかもな」

「依頼の内容には色々あるからそれに対応するだけの能力が必要になる」

「そのスキルならこれからも有用になるかもしれないな」


「ホントに?!」

「もっとこのスキル使いこなせるように頑張るよ」


三人で話していたがまだナークは驚きが強く唖然としていた。


「おい、ナーク大丈夫か?!」


「え、はぁ、あはは」


「ナークさん大丈夫?」


「いやびっくりし過ぎたというかなんというか」

「レント歳の割にスゲェとは思ってたがこれ程とはな」

「くれぐれも俺たちにそれ使うなよ」


冗談交じりでレントに声を掛ける。


「使う訳ないよ」


「さぁ馬鹿な事言ってないでそろそろ行くか」

「あと半分だ、一気に行こう」


一行はルーダの街へ向けて進み出した。


〜〜夕暮れ前〜〜


「やっと着いたな」


ドルク達はルーダの街の門前にたどり着いていた。


「おい、お前達何しに来た・・ってドルグじゃないか」


門番に声を掛けられる。

ドルグは元々冒険者であったことや街に度々来るため門番とは知り合いであった。


「おぅ、今回は素材を売りに来てな」


「今回は人数が多いな」

「後ろのは倅か?」


「あぁキロクじぃさんとこの孫も一緒だ」


「「こんばんは」」


「遠かっただろうに元気はいいな」

「ようこそ、ルーダの街へ」


門番に挨拶をして門を潜る。

ルーダの街は大きな街ではないが王都からの商人が流れてくることもあり、人の往来も多い。

街は夕暮れ前であるが賑わいをみせていた。


「素材の換金は明日行こうか」

「換金は冒険者ギルドで行うからレントも見に行けるな」

「今日はとりあえず宿をとろうか」


「「あーやっと休めるー」」


門前では元気よく挨拶をしていた二人だが道中ホーンラビットと遭遇し戦闘になっていた。

スキルや技量があると言っても十歳の身体であり、まだ出来上がった身体ではない。

ホーンラビットと戦った事でホーンラビットの素材も増えていた。

荷物が増えた事もあり、相当な負担になっていたのだ。


ドルグが街に来る時によく利用している宿で休む事にした。

宿に着き食事をとったらシンとレントは疲れていたのかすぐ部屋に戻り眠りに着いた。

ドルグとナークは二人が眠りについてから酒場へ出かけていったのだった。


次回はルーダの街の冒険者ギルドで素材換金に行きます。

中々更新が遅いですがまた読みたい、続きが気になるなと思って頂けたら評価やブックマークをお願いしますm(*_ _)m

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